第103話 キングの変身
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
目の前のキングは激怒している。仲間を殺されたのだから当然なのかもしれない。今更、正当防衛って言っても許して貰えないだろうし、そもそも言葉が通じないのでアウトだろう。それにしてもコイツでっかいな、キングとは言っても元々ゴブリンなんだろ?オノ使いのジェネラルも大概でかいと思ったが、いざ比べてみると大きさが全く違う。背丈は3メートルほどもあるだろうか?横幅もジェネラルの1.5倍はあるぞ。そんな大型ゴブリンがこめかみに目一杯血管浮かせながら、思いっきり力んでこっちを睨みつけている。周りにはまだまだ千近いゴブリン兵がヤリを構えて今にも飛び掛かってきそうだ。
おっとキングの身体からオーラのような湯気のような闘気のようなよく分からない煙のようなものが出だしたぞ、こりゃ第二形態とかに変身しそうな流れじゃねーかよ。
物語的には、変身が完了するまで手出ししちゃーいけないんだろうが、そうも言ってられない。今のうちにこっちから攻撃を仕掛けてみるか。でもなあ、こういうのって変身中はバリアで守られてたりとか仲間に守られてたりで結局攻撃できなかったりするんだよなあ・・・
「ファイアーボール!」
オレは試しに一つだけファイアーボールを作りキングに向かって発射してみる。
ポカッ
「え?当った!?」
ファイアーボールは、キングまでまっすぐに飛んでいき見事頭に命中する。当たった本人はハトが豆鉄砲喰らったような顔でこっちを見る。なんだよ当たるじゃねえかよ。周りのゴブリン達やキングは、オレに向かってキイキイと文句を言っている。多分、「変身中に攻撃するとか信じらんない」、とか「お前空気読めよ」みたいな事を言っているのだろうが、あいにくこっちはゴブリン語なんて分からないのである。構わずに追撃を喰らわしてやろう。
「連続ファイアーボオオオオル!!」
ボボボボボボッ
オレは数十発の火の玉を掌から出現させると、キングに向かってぶっ放す。
ひゅんひゅんひゅんひゅんっ
すると慌ててジェネラルの2人がファイアーボールをそれぞれ剣とオノで叩き落とす。
ガガガガガガガガガガッ
周りのゴブリン達もめいめいのヤリでファイアーボールを撃ち落とそうと頑張っている
ドガッドガッ
ところが、いくつかは撃ち漏らしてキングにぶち当たる。
ポカポカッ
キングは流れ弾に当たる中、焦りつつも気合を入れている。や、やばいこのままだと変身完了してしまうぞ。
「ファイアアボオオオオオオル」
オレは、またまたファイアーボールを数十発作りキング目がけてぶっ放す。
ポカポカポカッ
またまたジェネラルと周りのゴブリン兵たちがファイアーボールを防ごうとするが、間に合わない逸れた球が当たる。
ひゅんひゅんっ
ドガッドガッ
ポカポカッ
ひゅんひゅんっ
ドガッツドガッ
ポカポカッ
何ターンかこのやり取りが続いて・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴオオオオオ・・・
変身完了・・・・なのか?
目の前のキングゴブリンは、自信満々でオレに向かって大矛を突き立てるポーズをとっている。どうやら変身は完了したらしい、ところが見た目は特に代わり映えしないのである。サイズも変わらないし、形状も変わらない。ツノでも生えてくれれば分かりやすいのだが、そんな様子もない。オレは、記憶力には全く自信がないのでひょっとすると少しは変化があるのかもしれないが、この変身前と変身後を比べる間違い探しはかなり上級の部類に入るだろう。もちろん、変身前は見えないので更に難易度は高くなるのは言うまでもない。
「え!?」
「鑑定結果」
ゴブリンキング
HP :3210(2290up)
MP :0
物理攻撃力 :5127(4186up)
物理防御力 :6812(5911up)
魔法攻撃力 : -
魔法防御力 :2149(1260up)
使用武器:大矛
限界突破:済み
説明:普段は穏やかなキングが激しい怒りによって目を覚ましスーパーな戦士へと変身。この変身をあと2回残している・・・かもしれない




