第102話 オレ対ゴブリン軍後編
「うわ、うわわわわ」
オレは3人のジェネラルと対峙している。やつらは、めいめいヤリとハンマー、剣でオレに攻撃を仕掛けてくる。ヤリをもったヤツはシュッとしていてオレに矢継ぎ早に攻撃を仕掛けてくる。ハンマーを持ったヤツは凄いごっつい。そしてその攻撃はとても重い。そして剣を持ったヤツは、2人と斬り合っているオレの隙を窺っていて時折、するどい一撃を喰らわしてくれるのだ。しかもそれだけではない。オレ達4人の周りには、数十人いや数百人のゴブリンがヤリを構えて待ち構えている。やつらは、騎馬もいれば歩兵もいる。その顔は、ぞっとするほど醜悪だ。そんなヤツらが自分たちの隊長の指示に従って援護しやがるのだ。
「キキー」
一人の隊長が叫ぶ。すると一斉にオレ目がけて無数のヤリが突き出される。やっとの事でそれを躱すと今度は、長槍、ハンマー、剣での三位一体攻撃が繰り出されるのだ。
「む、むりむりむりむり。死ぬって、コレ。助けてー」
オレはそれらの攻撃を馬上(鳥上?)にてどうにか躱しているのだが、いつそのヤリが突き刺さりオノに真っ二つにされ、剣で切り刻まれるか分からない。それなのにコタロウもコジロウも助けにこない。なんで?オレ死んじゃうよ?
「なんしよっと?攻撃全然当たっとらんよ」
「え?」
アイの声にはっと我に返る。そうだった、オレにはアイさんご謹製の剣術スキルがあったのだった。オレの意思とは無関係にオートでゴブリン達の攻撃を躱せるのだ。何のことはない、オレは自分の状況に舞い上がって一人芝居をしていただけだった。
みんなの方をみると生暖かい視線でオレを見守ってくれている。は、恥ずかしいなあ・・・
気を取り直してゴブリン達の方を見る。冷静になってみると確かにオレはこいつらの攻撃を危なげなく全て躱している。必死でオレに向かってくるゴブリン達はちっとも攻撃が当たらないので、悔しそうにキイキイ言って歯をむき出している。こ、怖っ。
ふん、そんなに怖い顔したってお前らの攻撃は当たらないんだからね。いくぜ、オレはチョコの手綱を引きジェネラルの一角である槍使いに突進する。槍使いは、オレに向かってその手に持ったヤリを突き出してくる。「え?お前ヤリ何本持ってるの?」って言いたくなるように残像が何本もいや何十本も見える。まあ、こんな攻撃喰らったら生身の身体ならば普通はテンパっちゃうよね。と思いつつも、オレはあり得ない動きと反応でそれらの突きを全てウィービングで躱す。
「はああっ」
槍使いの眼前に出るとオレは手にしたヒノモト刀を前後左右ななめに振り下ろす。
スパスパスパスパスパスパッ
次の瞬間、ジェネラルはあっという間に細切れになった後にコインとなった。
チャリーン・・・
え?ジェネラルなのに、一般兵と一緒の報酬なの?
そんなどうでもいいことを考えていると、目の前にもう一人のジェネラルが立ちはだかる。オノ使いのヤツだ。つうか、こいつもゴブリンなのか?めっちゃでっかいんですけど・・・通常1メートル弱くらいの小さい魔物ってイメージのゴブリンだが、目の前のこいつは2メートルはある巨大ゴブリンだ。馬鹿でかいオノを軽々と振りまわすめっちゃマッチョのそのゴブリンはオレに向かって大きく振りかぶったオノをそのまま振りおろし渾身の一撃をぶちかます。
「グオンンンンン!!」
もちろんチョコともども軽く躱すのだが、オノ使いのゴブリンはオレのいた地面にそのままオノを激しく打ちこんだためにモクモクと物凄い土煙が立ち辺り一面の視界が奪われる。
ビュッビュビュッ、ビュッビュッビュッ
次の瞬間、四方八方から数百本のヤリがオレ目がけて飛んでくる。ゴブリンよ、目くらましからの飛び道具攻撃なんて大昔からの使い古された手じゃねえか。そんなのに引っかかるオレじゃねえぜ。すっかり調子に乗ったオレは、全てのヤリを叩き落とす。
土煙が晴れた時に無傷で立っていたオレと対峙したジェネラルの驚愕の表情ったらないぜ。お前映画の見過ぎかよ!っていいたくなるように口をあんぐりと開けて目を見開いている。
映画のワンシーンでは使い古された感がいなめないが、いざ自分がその立場になると主人公感が半端ねえ。
「どうしたゴブリンどもよ。もう終わりか?」
すっかり気分を良くしたオレはチョコに跨り刀をゴブリン達に向けて芝居がかる。
『ご主人様の勝ちだニャ』
するとコタロウが、そんな事を言い出した。え?
『にゃあ、ご主人様の楽勝だったニャア』
『ご主人様、かっこいいぜ』
『凄い凄い』
『さすがは主でございますな』
コタロウだけでなく、コジロウにガル、ギル、ゴルまでも
「ちょ、おま」
慌てて止めるが時すでに遅し、残った2匹のジェネラルはキングの元へと駆け寄る。
や、やばいコレ絶対次の展開あるやつじゃねえかよ。




