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第9話 鳥居の先には

「ニャア」


「ん?」


目を開けると、コタロウが心配そうに覗きこんでいた。


「コタロウ?」

「ニャア」


オレが目を覚ますとコタロウがオレに駆け寄り、頭をスリスリする。


「オレ達助かったのか?」

「ニャア」


どれくらい気を失っていたのだろう、辺りはすっかり明るくなっている。


グリズリーを倒してレベルアップしたためであろう、2人とも完全に傷は治っていた。


「それにしても勝負を決定したのが、戦闘には不向きだと思っていた水魔法とは皮肉なものだな」


そう、燃え盛っていたグリズリーに最後の力を振り絞り、ウォーターボールをぶつけて水蒸気爆発を起こさせたのだ。


ウォーターボールは魔法の膜に包まれている。それを高温のファイアーボールにぶつけることにより温度が急上昇し、水蒸気となる。そして内部の圧力が急激に増し爆発が起こる。


原理はなんとなく分かっていたが、果たしてどれくらいの高温にどれくらいの圧力がかかれば爆発するのかは全く分からない。全てぶっつけ本番だったが、うまくいくとは悪運が強いようだ。


「どれどれ?」


爆心地に向かってみる。



「ヒエーー」


爆心地を中心に半径50メートルほどの爆破痕が見える。


そして中心には


「!!!」


なんか桐の箱がある。ちょっとした棺桶くらいの大きさだ。


恐る恐る中を覗いてみると、中から大量の煙が…


「と、これドライアイスか?」


そうだ。ドライアイスだ。そしてドライアイスが晴れると中には大量の肉が収納されていた。


「これ、全部クマ肉かよ…一体何キロあるんだろ?」


少なく見積もっても2,300キロはあるだろ。


まあ取りあえず収納するか。


と、クマの棺桶の横に毛皮がある。


よく金持ちの貴族なんかの別荘に敷かれているクマの全身の敷物だ。

頭があって両手両足が万歳状態のヤツ。


コレも収納だな。


「それよりも」


とオレは気になっていた方を見る。そう、あの鳥居の事だ。


鳥居の方をマジマジと見る。昨日はよく見る余裕がなかったが、まるで赤いトンネルのように鳥居が等間隔で連なっている。


爆心地からそれほど離れていなかったが、どこも壊れていない。全く影響もないようだ。

オレは急いで駆け寄ってみる。


鳥居のトンネルを覗くとずっと先まで連なっている。中は、階段状になっていて一段一段木の枠が設けられていた。


この世界にきて初めての人造物に出会ったオレはそれだけでも感極まって、こみあげてくるものがある。


ソコをぐっと押し殺し、階段を一段一段登っていった。






「あ、ゴールか?」


その階段を数百段、距離にして3キロほど登ったところだろうか。先の方で鳥居が途切れている。


「行こう。コタロウ」


オレとコタロウは階段を急いで駆け上がる。


「ん?」


と最後の鳥居をくぐった瞬間、ちょっとした違和感を覚える。


(ピーン)


「???」


気のせいかな?何か電子音が鳴った気がしたが…


とその時、また


(ブゥン)


と音がする。


今度は聞き間違いじゃない。


と思っていると


「なんじゃこりゃ?」


オレの右前方に半透明のウィンドウが開いている。


「こりゃ有機ELディスプレイか?」


いや、それどころかもっと進んだテクノロジーに見えるが。


例えるならば、VRのRPGゲーム内でのコマンドウィンドウだ。というかそのものなのだが…


と、そのウィンドウに文字が浮かび上がる。


『ようこそ、WiFiエリアへ

 私はナビゲーターのAIです』


と表示された。


「な、なんだと??ワイファイエリア?エーアイだと??」


この世界もオレが暮らしていた日本と同じテクノロジーが存在するのか??


『イエ。ワイファイでなくウィーフィーです。ウィーフィーエリア。そして私はアイです。』


「あ、スミマセン」


昔WiFiが出始めのころ、イキってお店の人に「あの、ここってウィーフィー使えますか?」って聞いたら、笑顔で「はい。ワイファイ使えますよ」って返されて顔真っ赤になった事を思い出した。


と次の瞬間、


『何かお手伝いできることはありませんか?』


と表示された。





「キタコレーーーーーーーーーーーーーー」




オレの頭の中はグルグル周りだす。色々な考えが頭の中をよぎったが、そう言われたら答えは一つしかない。


オレは、こみあげる想いとあふれる涙を止めもせずにこう叫んだ。







「コジロウに会いだい!!!」

「に゛ゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」




『???』



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