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プロローグ

オレの名前は三上 修二

27歳のナイスガイだ。もちろん年齢=彼女いない歴である。


関東近郊の地方在住で仕事はしがないサラリーマンだ。地元の地方銀行に勤めている。

仕事が忙しいせいで、ろくに趣味もなく専らネトゲとネット小説を読み漁っている。


そんなオレにも家族がいるんだな。それも2人も。


そう、家族とは里親募集で貰ってきた2匹のキジネコ、コタロウとコジロウである。


兄貴のコタロウは見た目はシュッとしている。しかし、中身は身体能力は高いが脳筋な残念ネコだ。ダンボールやビニール袋などありとあらゆるものに顔を突っ込み、結果出られなくなって「ニャゴニャゴ」助けを求めてくるのだ。まあ、そんなところもカワイイんだけどね。


弟のコジロウはぽっちゃりしているのだが、インテリねこで常にそんな残念兄貴を冷やかな目で見ている。知能も高く、引き戸はもちろんふつうのドアもジャンプしてノブを引いて開けたりする。


そんな対照的な2人(2匹)であるが、生まれた時から一緒なのもありとても仲がいい。オレも文字通りネコかわいがりしている訳だ。



それは、ある土曜日の昼下がりの事だった。いつも通り2匹に昼ごはんをあげた後、撫でたりして2匹と戯れていたのであるがいつの間にかオレの住んでいるマンションのベランダに憎っくきハトがいる。


こいつらは、平和の象徴かなんか知らないがオレ達にとってはフンはするし卵は産みつけるし「クルックー」ってうるさい。そして最もガマンならないのがウチのコ達を小馬鹿にしてところだ。


ハトが来ると2匹とも本能からか「ウカカカカカ」って言って威嚇するのであるが、ハトは自分たちが捕まるわけないのを分かっているから全く意に介さない。完全無視でベランダで寛いでいやがる。まあ、オレも空を飛べるハトがウチのネコたちに捕まるわけないのは分かっているし、万一9階から落ちたらいけないのでベランダの窓は閉め切っているのだが。



ところが、その日に限ってオレはベランダの窓を閉め忘れていた。あまりに良い天気だったので久しぶりに布団を干していたのだが、そのあとそのままにしてしまったのだ。



オレが気づいた時には、コタロウはベランダに出て憎っくきハトに向かって「ウカカカカカカカ」って威嚇してる。そして、ベランダの手すりに止まっているハトに「ウニャー」って飛びついたんだ。


当然ハトは余裕で「クルックー」とか言いながら飛び去る。目標を失ったコタロウはそのままベランダの手すりを越えて…


「コタロウ危ない!!!」咄嗟だった。


オレもコタロウを追ってベランダの手すりから身を乗り出し勢い余ってそのままコタロウもろとも階下へと命綱のないダイブを敢行することになったのである。


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