クリスマス
瀬名原と奈月の2人同時にクリスマスデートに誘われた有坂は。。。
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なんかとんでもないことになってきた。しかも正月にってもうすぐじゃないか。それまで僕はどうすれば良いのだろう。
週明けに奈月から何か言われるのかと思ったけども、なにも言われなかった。こっちから話しかければいつもと同じように受け答えをしてくれる。瀬名原からもメールは来るが今までのように早く返事をくれと言った内容は来なくなった。
永瀬は梶原に恥ずかしそうにしながら話しかけている。梶原も恥ずかしそうに受け答えをしている。あっちは正月を待たずに結論が出そうな勢いだな。
「まぁ、こうなるよなぁ。どっちつかずでいたのが悪かったんだよなぁ。でも奈月が自分のことを……。」
「有坂。これは試練だぞ。ああなった奈月はあきらめが悪いぞ」
「知ってる。だから余計に悩んでる。瀬名原もあれだけ自分のことを想っていてくれてる。奈月は僕の初恋の人だ」
梶原は大きなため息をついている。
「いや、そうじゃねぇだろ。お前がどう思ってるか、だろ。自分の気持ちをよく考えろ」
梶原の言うことが正しい。自分がしっかりしなきゃな。決めなきゃな。瀬名原……奈月……。
「瀬名原さん。有坂くんをクリスマスにデートに誘ってもいいかしら?」
「ダメです。私が誘います」
おい。ここはグループチャットの場所だぞ。僕もこれ、見えてるぞ。12月23日の祝日にこんな会話が繰り広げられた結果、僕は二人同時にデートに出掛けることになってしまっていた。僕の了解は一切取らずに強制的に。
25日当日。待ち合わせ場所に行くと既に奈月と瀬名原が待っていた。
「おそい」
言われると思ったが案の定言われた。待ち合わせ時間前なのに。それに今日はどこに行くのだろうか。聞いていないけども。僕はズンズン突き進む二人について行くしかなかった。コレはデートなのか?
到着した場所はスイーツのお店。主立った会話もなく各々が注文する。周りからの視線が痛い。
「有坂先輩。なんでそんなに無口なんですか?女の子二人を連れてクリスマスデートですよ?」
周りに聞こえそうなボリュームで言われて、思わず周囲を見回してしまった。
「そうね。自分が告白した女と告白されてる女、両方とクリスマスデートね」
隣のカップルが面白そうにひそひそを会話している。非常に立場が悪い。この二人は絶対にわざとやってるに違いない。
それからは交互に手を繋いできたり腕を組んできたりと忙しかった。両手に花で端から見たら羨ましいと思われてるのか、チャラいやつだと思われているのか。周囲の目線からして後者の方かなって気がしたけども。
結局、今日は終始そんな感じでプレゼント交換とかそういうのもなにもなく各自家に帰るという不思議なデートだった。せっかく買ったこのハンカチどうしようかな……。
それから特にメールのやりとりもなく大晦日を迎えてしまった。梶原にどうすればいいか?と聞いたけども、決めかねてる自分が情けなくなってしまっただけだった。
「お待たせ。あら、もうみんないるのね。遅れてごめんなさい」
最後に奈月が来て全員そろったところで神社へ向かう。梶原と永瀬さんからは決めたのか?って聞かれたけど曖昧な答えしか返せなかった。
あと3時間。本人たちからは特に何のアクションも貰えないまま時間だけが過ぎて行く。
あと1時間。皆で甘酒を飲みながら年明けを待つ。カウントダウンがはじまった。
5,4,3,2,1……
明けましておめでとう!周囲では口々にそう言ってるのが目に入った。
「それじゃ、まずは俺からな。永瀬、俺とつき合ってくれ」
これはきっと上手く行くだろう。もう永瀬は泣きそうになってる。声にならない返事をして梶原の手を握った。
「次は有坂くんの番ね。どちらを選ぶのかしら」
次回、Restart of youth




