デート
後輩の瀬名原に押し負けてデートに行くことになった有坂は。。。
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「せんぱぁい!こっちです !ここ!」
そんなに大きな声を出して手を振らなくても見えてますよ……。ああ、周りから見られて恥ずかしい。この地にリア充は来るんじゃねぇ、というような目線を感じる。
「そんなに大きな声出すなっていつも言ってるだろ。ちょっとは周りを気にしてくれよ」
「だって先輩に会えるんですよ?嬉しいじゃないですか。テンションも上がるじゃないですか。だから仕方がないんです」
そうか。なにを言ってもダメなんだなきっと。諦めよう。変なことを言って泣かれる方が困る。とりあえずこの前のカフェに行って話をしようと駅前から連れ出す。
「だから、親の都合で引っ越ししたんだって。僕は転校まですることはないと思ってたんだけども、そういう風に決っちゃっててさ。もっとちゃんと説明すれば良かったよ。悪かった」
「悪いと思うのなら戻ってきて下さい。それと、返事をちゃんと聞かせて下さい。私、先輩に告白してるんですよ?何で返事が保留なんですか。この前の女の子が好きなんですか?だからですか?」
本当に女の子のカンは怖い。顔に出てしまったのだろうか。怪しい、という目線を向けられている。下手なことをいうと感づかれそうなので、そんなことはない、とだけ答えておいた。
「悪いわね、梶原くん。付き合って貰っちゃって。秋葉原ってどうも一人で来にくいのよね」
「いいって。なんかイヤホンたくさんある店に行くんでしょ?俺も見てみたいし。あれ?アレって有坂じゃねぇの?一緒にいる子は……もしかしてこの前に電話してた子かな?可愛いな。奈月、あれ誰か知ってるか?」
「知らないわよ。それにあんたね。女の子の前でほかの女の子を可愛いとか言うものではないわよ。彼女が出来たら絶対に止めなさいね」
奈月はこの前買ったイヤホンケーブルが気に入らなかったので新しいケーブルを見に秋葉原に梶原と来ていた。奈月は有坂が自分の知らない女の子をカフェで話してる光景を見て私には関係ないと思いながらも、あまりよい気はしなかった。メールであれは誰なのか聞こうと思ったが、変に思われたら、と送り止まった。まぁ、月曜日に梶原が勝手に聞いてくれるでしょう。
「あーりーさーかー!土曜日にアキバで会ってた女の子、誰だよ~。可愛かったじゃん。彼女?彼女なのか?この前電話してた子か?」
「だから後輩だって言っただろ。転校することをちゃんと言ってなかったから説明してただけだよ」
「彼女でもないのに説明、ねぇ。でさでさ、彼女じゃないならあの子、紹介してくれない?めっちゃ好みなんだよぉ」
マズい展開になってきたな。ここで紹介しないとなんでだ、ってことになるし、紹介したらしたでマズいことになりそうだ。散々迷った挙げ句、瀬名原に連絡先を教えて良いか確認した上で梶原にアカウントを教えた。変なことにならないと良いけども。それにさっきから視線を感じる。確か永瀬っていう子だったかな。ずっとこっちを見ている。
「あーりーさーかー!どういうことだよ。瀬名原さん、お前に告白して返事を貰ってないって言ってるぞ。マジでどういう事だよ。説明して貰うぞ」
「わかった。分かったからちょっとこっちに来い」
梶原に、ことの顛末を説明した。中学時代に奈月に告白して玉砕したけども、まだ諦めきれないところで偶然この高校で再会してしまったので、瀬名原への返事をどうするか迷ってしまっていること。梶原は呆れた顔で、瀬名原さんかわいそすぎるだろ、と言うと同時にそれなら自分が攻めても良いのかと聞かれた。迷っているのは自分だし、構わないと返事をした。瀬名原にはまた怒られるんだろうな。その後、自分が同席することを条件に梶原は瀬名原と会う約束をしたので、よろしく頼むと言われた。
次回、交錯




