魔王様の死
こんにちは!
こんばんは!
今回第8話
魔王様の死
投稿させていただきました!
ぜひ読んでいただけると嬉しいです。
また、
新しい小説をいいネタが思いついたので書くことにしました!
次は“花”がテーマになります。
後々はこの小説とも関係してくるように作りたいと思っているので、
読んでいただけると嬉しいです。
タイトルは“出会ったのは花から生まれた妖精さんでした……”です
プロローグ1
すでに投稿しました。
よろしくお願いします!
「っつ、ぁぁああ」
話ていたらいつの間にか寝てしまっていたらしい。
かたい地面に座りながら寝ていたせいか、首が痛い。
「おはよう!!」
自分が起きたのに気づいたようで、フィリアが挨拶をしてきた。
首を左右に回しながら、
「おはよう」
と返す。
誰かにおはようなんていわれたのが久しぶりで、素直に嬉しかった。
「今日はなにしよっかー?」
なんてフィリアが呑気につぶやいていると、
遠くのほうからカツカツと足音が聞こえる。
同時、緊張が走り、体がこわばる。
だんだんと近づいてきて、薄暗いながらも容姿が分かってきた。
髪の色は茶色、癖がない毛は長く、前髪は目が見える程度、後髪は後ろにに束ねられているように見える。
整った顔立ちで俗にいうイケメンの部類、男だ。
カツカツと音を立てていたが、その足音は、自分たちの牢屋の前で止まる。
そしてフィリアに向けて一礼。
「ラーゼル……?」
フィリアがなんでラーゼルがここに来たのか、驚いたようで疑問形で名前を呼ぶ。
「はい。ラーゼルでございます。」
なんて笑顔で答えている。
(こいつがラーゼルか……。
頭がよさそうで、人当たりもよさそうだな…。)
そんなことを考えていると、
「昨日行われた権力者による会議で、
フィリア様から魔王の権限を剥奪することが決まりました。
今日からあなたは、なんの位も持たない、ただの平民です。」
フィリアもそれはわかっていたようで、
「わかったよ…。
いままでありがとう!」
とラーゼルに言う。
するとラーゼルは
「今までなんて……。
これからもずっと一緒ですよ!ずっとずっと!」
後半から声調が変わる。
落ち着いた声から、少し荒げた声に。
突然の変化にフィリアは肩をビクンと動かし、驚いていた。
「ずっと、ずっとこの時を待っていました!
あなたが魔王の座から降りて、何も力を持たない状態になるのを!
フィリア様、いいえフィリア!!!
今、ここから出ても誰もあなたを必要としないし、行く場所もない!!
俺の者になれぇぇぇ!!!」
本性をさらけ出しやがった。
こいつフィリアを……。
「先代の魔王の血を能力は使えないものの引き、容姿端麗、魔術、魔法の行使が魔界トップクラスのあなたが、平民になるのですよ!!欲しいに決まってますよね!?」
フィリアが目を見開きながら、
「ラーゼル?何言ってるの?幻術にでも…かかってるの?」
なんて震えながら言う。
「これが私の本性ですよぉ?」
なんて声を荒げる前の声調で言う。
「うっ……っ…っ。」
目から涙をこぼしだすフィリア。
とてもつらそうで、今にも消えそうで。
なのにラーゼルはさらに追い打ち。
「ここまでたどり着くまでに。
どうしたらあなたを魔王の座から引きずり降ろそうかって
毎日、毎日考えてましたよ。長い時間を費やしましたよ。疲れちゃいました。
そしたら、停戦しようなんてぇ!自分で地雷を踏みにいくんですから!!
もう笑いがこみあげてきて、我慢するのが大変でしたよぉ。」
フィリアは泣くことをやめて、唖然とした表情でラーゼルを見ている。
「停戦の、平和を求めることの何が悪い!
お前に大切な人を失う悲しみや苦しみは、理解できないのか!!」
たまらず、後ろから言い放った。
すると少し殺気を込めた声で
「人間ごときが、うるさいですねぇ。
悲しみ?苦しみ?
戦争していればそれ以上に金が手に入るじゃないですか。馬鹿ですか?
食べ物や土地、女だってかえますよ?
増えすぎた下級の者たちを減らすことができるじゃないですか。
弱いくせにうじゃうじゃ湧いて、うっとうしいんですよ?」
とラーゼルが言う。
「腐ってやがる。」
「悪魔ですからぁぁ!!」
何を言っても変わらない。こいつはだめだと判断する。
こいつには、人が、生き物が、物としてでしか見えてない。
「そうそう。
だから停戦のための使者を自ら申し出て、文書を焼却。
先の戦争で捕まえた捕虜の天使たちを利用して、都市を壊滅、護衛の始末。
大事な大事な僕のフィリアには傷一つつけないように!
あとは、その天使達を殺して証拠を隠滅。
無事、あなたを魔王から引きずりおろす計画の成功です!!
あなたが今の天使の重役の顔を知らなくて、本当に助かりましたよ。
無能ですね。まぁそういうところも大好きなんですけどねぇぇ!!」
フィリアの目からは絶えず涙が流れていた。
「ではでは今からここをあけますねぇ。」
ガチャガチャとカギを開けるラーゼル。
部屋の中に入り、フィリアに近づく。
「い…、い…や……ぁ」
フィリアの声にならない叫び声。
どうにもならない。動けない。
くそくそくそくそ。
助けることが、目の前で胸糞悪いことが、
許せないことが起こっているのに。
ラーゼルがフィリアの腕をつかもうとすると、フィリアははじき返し、
ラーゼルをにらみつける。
「痛いですねぇ。
平民の分際で。
そういう表情も好きですが、
私あなたの見たことない表情が見たいんですよ。
上流階級への反逆の罰も含めてその表情見せてもらってもいいですか?
問答無用でしますがね!!」
なんだ。見たことがない表情って。
とんでもなく嫌な予感がする。
やめろって言おうとした瞬間。
フィリアの首が飛んだ。
目の前で。
そしてしばらくの沈黙の後、
「らぁぁぁぁああああああああぜるぅぅぅ!!!」
自分の叫び声と同時
「あなたが死んでる顔、
まだ見たことないんですよ。」
とラーゼルが言った。
読んでいただきありがとうございます。
注意点、気になる点ございましたらどしどし行ってください。
また感想等書いていただけると嬉しいです。