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怪しい者

こんにちは!

こんばんは!

第7話

怪しい者

投稿させていただきました!


読んで頂けるとうれしいです!

二人とも、話すことしか時間をつぶす方法がなく、

薄暗い中、ひたすら口を動かしていた。

”話す”といっても、ほとんど自分からする質問にフィリアが答えるといった、

質疑応答形式。

たまに、逆になったりする。


聞いたのは……、この世界のこと、フィリア達のこと、そしてフィリア自身の事。

この世界は、自分のいた世界から言えば、いわば魔界、魔の世界らしい。

自分たち人間が、悪魔や魔神と呼んでいた、そういう類の者が、

フィリアやあの追ってきた男たちだそうだ。

半ば、普通の人間では、信じられる話じゃないと思うが、

角生えてるし、翼も出そうと思えば出せるらしいし、

魔法なんて自分の世界ではオカルトじみたものも現に使ったところを見てしまったので、

信じるしかなかった。

また、色々な世界が存在していることもフィリアから教えてもらった。

”獣人の世界、小人(ドワーフ)の世界、長耳(エルフ)の世界、精霊の世界、天の世界等、他様々な世界”

が存在し、種族がいるそうだ。

自分がいた世界も、そういった数多くの世界のうちの一つで、

人間という自分みたいな、何も能力もない人間の集まる世界もあれば、

魔法や武器をブンブン振り回す、アグレッシブな人間がいる世界もあるらしい。

ぜひ会ってみたいと思った。


次にフィリア達の事。

フィリアないし魔王を筆頭とし、他72人+αの権力者が魔界を統治しているらしい。

それぞれ、序列がついているらしく、昔はその序列を重視して、強弱があったものの、

今はほとんど形骸化しているが、トップ10はいまだ強力らしい。

72人なんて聞いたことのあるような人数で。

(ソロモンの72柱の悪魔が関係してるのか?)

なんて思って、

「72柱の悪魔か?」

なんて聞いたら、

「何それ?72人の柱の悪魔なんていないよ?」

なんて言うから、

72柱の悪魔が関係がないのか、あるのかはわからなかった。

もしくは別の言葉で呼ばれていて、フィリアに伝わらなかったのか…。


話を戻すと、その72人の悪魔はそれぞれ昔から受け継がれる、

固有の能力を持っているとのことだった。

火や水を自在に使ったり操ったりだとか、透明になれる等々、それぞれ変わった力を。

また、天界との仲が非常に悪くその権力者を筆頭に、争っているらしい。

まぁ何となく想像がついたが……。

そしてフィリア自身のことに繋がる。

フィリアが魔王になった理由は、戦争中に前魔王である父親とその妃の母の戦死によるものだった。

天使に殺されてしまったようで直接戦場にいなかったフィリアは、あまり詳しいことは知らないようだ。

戦争に負けるわけにいかない魔族たちはすぐに新しい王を選出しようとしたが、

戦争中で次期魔王を話し合いで決める時間の余裕がなく、

反対者が出たようだが、権力者72人の大半の賛成があったため、

フィリアが引き継いだようだ。

これがフィリアが魔王になった経緯だ。


その後は多くの死傷者が出て、天界も主要な人物がやられて、両世界疲弊しているため、

戦争は今は落ち着いているらしい。

色々あったのはよくわかった。


でも疑問に思うのは、フィリアがなぜ“ここ”にいるかだ。

王であるフィリアが。その経緯も気になったので聞いた。


フィリアは戦争をやめたいと思ったらしい。両親を失って、周りの人が傷つくのを見て。

そこで信頼できる側近に相談をしたところ、天界との和解を進めていくことに決まったらしい。

そのまず第一歩として、その側近に停戦の提案書をもたせ、天界に送ったそうだ。


すると了承を得て、

会談をすることになったらしいが、

この会談で事件は起こり、フィリアがここにいることになる。


天使側からの突然の裏切り。


魔界の主要な都市のひとつが会談の会場になったらしいが、

訪れた天使たちに攻撃を受け、都市はほぼ壊滅状態、死傷者が大量に出たらしい。

フィリアもなすすべなく、天使に鎖で拘束され捕まったそうだ。


ここで自分が見た不思議な映像、フィリアが泣きながら捕まってたことを思い出し、

本人なぜか聞いたが、身に覚えがないらしい……。


捕まったあとすぐに、序列Ⅰ位の“バル”という悪魔がフィリアを拘束した天使を殺し、

また魔界ということもあり、どんどん集まってきた権力者によって、

天使たちをすぐに撃退することができたようだ。


ただ、この会談を提案したが失敗し、大失態を犯したフィリアは、

ここの牢屋に入れられて、処分を待っているのが

今の現状らしい。


ここで

話を聞いておかしな点に気づく。


まず、会談を魔界で行うということ。

普通は、お互いに中立の場所で行うはず。

天魔両方の世界を行き来できて、

他の世界の存在も知っているんだ。

移動は簡単なはずだと思う。

ましては主要な都市で行うものではない。

大前提として、敵だ。ありえない。


そして、なんでフィリアが生きて拘束される?

普通なら殺されるはず。

都市を攻撃しているんだ……。

戦争の始まりだろ。

そんな時に無防備な、敵となる王がいるんだ。

天使側も魔界という不利な条件をわかっているはずなのに。

なぜ殺さなかった?


死者が多数、都市が壊滅?

ありえないだろ……。

大事な会談なのに、警備がうすい?

そんなことまずないはず……。


映像を思い出しても、フィリアの周りには、

簡単に光の槍のようなものに刺されて死ぬような、護衛しかいなかった。


フィリアにいくつか確認をとった。


場所を決めたのは誰か?

天使の行動におかしな点はなかったか?

護衛を用意したのは誰だ?

フィリアの周りには権力者と呼べる者がいたのか?

と。

するとフィリアは、

「場所を決めたのは、側近のラーゼルだよ。

 私には、停戦の協定の内容を綿密に考えてほしいって。

 天使の行動は、なんというか、私に攻撃しないように周りの人たちを的確に攻撃してたよ。

 護衛の手配もラーゼルがやってくれたよ。

 魔界最強の序列Ⅰ位の“バル”を筆頭に、護衛を手配してくれたよ。」

と答えた。


ここから推測するに、ラーゼルはかなりやばい気がした…。

ただの使えない側近なだけなのか、それともな他に何かあるのか……?

まぁその決まったことを確認しないフィリアもフィリアだが。


そして最後に一番気になること、

「ラーゼルは生きているのか?」

と聞くと、

「生きてるよ。

 天使からの攻撃の混乱の中で、私から天使の目を離そうとして、

 囮になってくれてそれ以来だったんだけど。

 牢屋に入れられる前に、合って話をしたから。

 “守れなくてごめんなさい”って」

とのことらしい。

その時

言おうか、迷ったけど。


(守れなくてじゃなくて、守ろうとしなくてだろ)

って


そして幾度となく迷ったけど。

フィリアがここから出れないという、

結果が変わるわけない。


だから

言わなかった。


フィリアが今ここにいる理由。

冷静になれば誰だって分かる。

多分、ほぼほぼ、間違いなく

その側近のせいだよって。


人を疑うことを知らないのか?


違うな。


信頼しているんだ。とても。

話をしてても、それが分かったほどに。


だから無性に、許せなくなった。

その信頼を裏切る、側近、ラーゼルに。

読んで頂きありがとうございます。

注意点、気になる点ございましたら

どしどし言ってください。

また感想等書いていただけると嬉しいです。


活動報告書等も書いているので

よかったら見てやってください。

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