優しい笑顔の魔法
こんにちは!!
今回、第5話
優しい笑顔の魔法
投稿させていただきました。
ぜひぜひ読んでいただけると嬉しいです。
(まただ。
鎖で縛られ少女が連れ去られる映像。
泣きながら、何かを訴えながら。
自分はそう、何もできない、ただ何も…。)
最近見た、妙な夢をまた見た。
そして、それを夢として認識できるなら、
自分は間違いなく生きている。
寝ていたのか、気を失っていたのか。
どちらか分からないが、瞼を開ける。
横になっているらしい。
目を開けると薄暗い、石の天井が見えた。
そして、手が重たいような、つかまれているような、妙な違和感があった。
視線を向けると、手は枷で拘束されていた。
周囲を首を動かし確認する。
左を向くと石でできた壁。
右を向くと、
扉がある鉄格子が見える。
「捕まったのか……。何者かも分からないやつらに……。
生かしたまま放置されているのか…。」
ぽつりとつぶやき、
(なんのために? 拷問をするとか、奴隷として扱うとかか?)
そんなことを考えている。
すると鉄格子の向こうから、少し高くて優しい声が聞こえる。
急いで立ち上がり、鉄格子に近づく。
よく見ると自分の鉄格子の奥にまた鉄格子が、斜め左右にも鉄格子が確認できる。
(収容所かその類の何かか?)
そんなことを思いながら、自分の部屋の鉄格子に近づき、声をした方向を見ると。
少女がいた。
夢で見た、必死に叫びながら、涙を浮かべて鎖で縛られていた少女が。
しかし、夢の中とは違い、髪は艶を失い、服はボロボロ、手足の皮膚が出ている部分は打ち傷や切り傷があり、裸足。
夢での面影はなかった。
そしてひと際目立つ、手にはめられた枷。
自分の物より、頑丈であることは間違いなくわかる。
(夢じゃなかったのか??その少女はここにいる。
現実で実際に起こっていたのか??目の前で、少女は囚われているように思える。
あの夢もしくは映像はなんだ?なんで自分が、関係ない自分がその光景を見た?)
そんな自問自答、疑問を脳内で連ねていると…。
また声が聞こえる。
しかし、理解不能。自分がいた世界と異なった言語を話しているらしい。
言語が通じないからだろうか……、
少女の困る顔が見える。
そんな表情を見て、顔を少し赤らめる。
女性の耐性がない証拠。可愛いと思ってしまった。
そして表情はおそらく一緒なんだと少し安堵する。
そして突然、ひらめいたような顔をして
少女は手を、
枷で封じられている両手をこちらに向ける。
魔法陣が展開される。
「またか!?」
思わず声を上げる。
安堵は一瞬、たちまち恐怖に変わる。
なんだ、何が来る。
全身から冷や汗が出る。
足が震え立っていられなくなる。
尻もちをついた状態で震える足を、少しでも少女から遠ざかるように動かす。
顎も震え出しガチガチと鳴り出す。
あの追いかけられた時のことがよみがえった。鮮明に。
死ぬかもしれない恐怖が。
でもあの時とは何かが違った。
雰囲気か?
恐る恐る少女の顔を見ると……。
笑っていた。微笑んでいた。
みっともない姿を見られ笑われていたのかもしれない。
それも少しあるだろう。
でも違う。違ったんだ。
その笑った顔は
とんでもなく優しい顔だったから。
読んでいただきありがとうございます。
気になる点、誤字脱字ありましたらどしどしご指摘ください。
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