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プロローグ2

こんにちは!

プロローグ2を投稿させていただきました。

まだタイトルとは関係ないものですが…

どうか目を通していただけると幸いです。

「うっわぁ…」


重く頑なに開こうとしない瞼をこじ開け目を覚ますと同時に、額に手を当て

見ていた夢を思い出す。


すごく鮮明に覚えている。血まみれの大地や人そして何より

あの少女の表情、涙をためた目。


「あんな変な夢見るなんてな。寝起きが最悪だわ…」


と誰もいない部屋で一人ぼそっと呟いた。


あの夢のせいで殆ど寝ていた気がせず、非常に眠いが、時計の針は朝の七時を指していた。

八時半ごろには大学に向かわなければならないため、もう一度寝てしまったらその時間に間に合うように起きる地自信がない。


いつもより少し早いが、スマホのアラームを止め

仕方なく重い体を動かし、身支度を始める。


顔を洗って、朝食を食べて、歯を磨いた。

いつもと何も変わりない、何の変哲もない一日が始まる。


よくあるワンルームの安いアパートの一室に住み、学力偏差値が高くも低くもない大学に通い、バイトをして日々を食いつないでいる。


そこらの学生たちと何ら変わりない生活をしている自分、

穴吹(アナブキ) 風斗(フウト) は身支度を済ませ、ドアのカギを閉め、大学へ向かうため自転車に今日も自転車にまたがった。


ペダルを少し息を切らしながら漕いで、事故を起こさないように周りに最小限の注意を払いながら、

重くけだるい眠気が覚めていない頭で考えるのは、今日見た夢の事。

どうしてもあの女の子の顔が脳裏に焼き付いて離れない。


そしていつも見るテキトーな夢ならすぐ忘れてしまうのに、今回のは鮮明に覚えている。

大体の夢に出てくる女性はアニメやゲームのキャラ、大学には女友達はいないから、バイト先の少し話をする女子高生くらいだった。


だから今回もそうだと思っていたが、妙にリアリティがあり、今までに見たこともないような子が出てきて妙に頭に引っ掛かる。


そんなことを思いながら、大学へ向かっていると、

ちょうど目の前を歩いているカップルらしき学生に意識を取られた。

仲良く腕を組みながら、笑顔で何か話している様子だった。


(朝からイチャつくなよ、うらやましいだろ!爆ぜちまえ!!)


自分とは無縁なその光景に嫌味を心の中で吐く。

顔にそのことを出してしまうと何か悔しいため、関心がないような真顔で横を通りすぎる。

そして嫉妬心、劣等感をわすれるためペダルを漕ぐ速さを上げる。


そしてまた今朝見た夢のことが頭にひっかかった。

もしあの夢に続きがあるとしたらどんな結果になっていたんだろう。

あの女の子は最後に鎖で縛られていて捕まっていたから殺されちゃうのか。

と自分で勝手に見た夢について考察する。


しばらくしてなんとも馬鹿でしょうもない考察を朝から、いい年した大学生が考え出す。

そして恥ずかしくなって

「どんだけ、子供脳なんだろう」

「思考が小学生だろ」

と自分でツッコミをいれる。顔を少し赤らめながら…。

そんなこんなで大学に到着、駐輪場に毎日使っている錆が程よくついた自転車を停める。

その後、講義が行われる部屋に向かい、

つまらない教授の話を大学卒という就職に有利になる肩書を得るためだけに聞く。

何時間も何時間も…。

休憩時間には友達とご飯を食べながら駄弁る。

楽な授業は後ろに方に座って、スマホをいじる。

そんな充実しない、

でも、しているといえばしている時間を今日もだらだら過ごす。


やっと今日のすべての講義が終わり、空がやや赤焼けてきているころ。

自転車にまたがり、自分の部屋があるアパートへ帰るために、ペダルを漕ぎだす。


「あーあ、今日も一日が終わったな。」


なんて働いてもいない、ろくに頭を動かそうともしていない人間が、

疲れたような声でぽつりと言う。


今日のご飯は何にしようか、なんて、

冷蔵庫の中身を必死に思い出して考えている。

卵の賞味期限が近いことを思い出し、使おうなんて考えている。

オムライスにしようか、目玉焼きにしようか、頭の中で二種類の料理が行ったり来たり。

ただただペダルを漕ぐ。大学からアパートまではほとんど一本道だから。


ただただ漕いでいた。ただただ…。


ガッ


突然の衝撃、何かにつまずいたようだ。

体は自転車から投げ出される。宙に浮く。

(アスファルト、擦ると痛いんだよな。スピード出しすぎた。)

なんて呑気に思う。自分でもびっくりするほど冷静だった。

転び慣れていたからかもしれない。


しかし着地したときの衝撃はあまりなかった。擦るような痛みはなかった。

そう、なんていうか葉が長い草の上にダイブしたような感覚に近かった。

「草むらなんて、帰り道になかったよな」

そう呟きながら、

ふらふらしながら立ち上がりつつ、

思わず閉じた瞼を開けながら。

そして目を見開いた。

痛みには意識を向けず、散乱した荷物にも目を向けず。

向けたのは周りの風景。

違う、

向けたんじゃない、今までいた場所とは違っていて目が離せなかったんだ。

自分がいるはずで、また明日を迎える場所とは、違って。


なにがって?

何もかも。

建物も道もない。いつもはうるさいと思える、車両の音も、人の声も。

一瞬で消えた。


周りに見えるのは

草と木、あと赤く光る月のみ。


「なんだこれ……。」


思わずそう呟いてしまった。


読んでいただきありがとうございます。

至らぬところが多々あり、読みにくかったと思います。

注意等気になる点があったらバシバシ言ってください。改善します。

また感想等書いていただけるととてもうれしいです。

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