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歌と涙ともうひとつ。  作者: 梅ノ木弥生
1/1

1:出会い

太陽にキラキラと反射する髪。

青く透き通った瞳。

細身の体。

周りにまとったヒトを引き付けるなにか。


ひたすらに声を出そうともがく。

もがいて、おちた。

ああ、そうか。

なにもできないのか、おれは。


ー***-

目を開くとまだ暗く、星だけが光る空が目に入る。

旅に出てもうかれこれ3か月くらいか…

今日は眠ろうとしてもなかなか眠れずさっきから目を閉じては開けてを繰り返している。

「水…汲んでくるか。」

水は今日の昼飲み干してしまいそれから何も口にしていない。

川のせせらぎが聞こえる方へ明かりもつけず歩く。

あー…俺なんで旅なんか出たんだっけ…

目的があったはずなのに何も思い出せない。俺は何がしたかったんだっけ。


『おれぜっ…い…して…って…るから』


もう前が見えない。たとえ今が真昼間でも俺の世界はあほみたいに暗くて真っ黒なんだろうな…


そのとき、川の近くで人を見た。

一瞬、見惚れてしまった。

透き通っているかにも見えるほど

キラキラしすぎていた。

星のかすかな光にさえ反射をしているような髪も

水のように透明な青い目も

全部が人間離れしていた。


その時だった。

ぐらりと視界が反転する。

川の水でぬかるんだ土に足を取られて

ああ…今日はあんなきれいなヒトを見れてついてると思ったんだけど、な…


意識が真っ黒になった。


ー***ー

「ぅ…ん?」

目を開けると太陽の光が目に入った。

あのきれいなヒトに見惚れてる間に川で転んで…


ヒョイッといきなり昨日のきれいなヒトが俺の視界に現れる。

「どわぁああああ?!」

っっビビったー……

え、いやこいつが運んできてくれたのか…?

つか、思ってたより華奢だな。

ひとつ咳払いをしてそいつに話しかける。

「あー…お前が助けてくれたん、だよな?ありがと。名前なんて言うの?」

そう聞くと少し戸惑ったようにして羽織っているポンチョのようなもののポケットに手を入れたり出したり

って、何やってんだこいつ。

するとハッと思い出したように周りを見渡し尖った石を見つけるとガリガリと地面に文字を書いた。


『ウタ』


自信満々という顔で俺を見つめてくる。え、いやこれ名前?



「何お前、薄気味悪いし喋れよ…」


ガリガリと再び地面に文字を書きだす。


『声はうばわれた。しゃべれない。』


「は?いやどういう…」


『今たびの仲間をさがしている。』


「え…いやいや。え?」


『おれといっしょにたびしてくれないか。』



「は…?」


思えばここから俺の人生は狂い始めたのである。


初投稿です。

不慣れなこともものすごくありますが

何卒楽しんでもらえれば幸いです。

連載はゆっくりとしていきます。

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