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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第8章帰って来た日常篇
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帰って来た日常篇part2 “2人の迎え„

朝、目が覚めた。それもいつもより1時間も早くにだ。

俺は1階のリビングに降りる。リビングを見渡すと

ソファーには皐月がお腹を出してだらしなく寝ている。


「ったく。俺が居なかったから夜更かし三昧だったわけだな」

と呟いた。いつも通りで安心する。


そして俺は3日前の様にキッチンに立ち、弁当作りを開始する。

今日は1時間も早く起きたし、今日はちゃんと手を加えようと思う。


30分で弁当作りを終えた。記録更新である。

俺の料理スキルもとい家事スキルは親が共働きのために

鍛えられている。もしかしたらその辺の女子より女子力が

高いかもしれないな。


「ン、ンーーー。ッハァ。ん ?ア、アニキ ?」

ちょうど皐月も目を覚ました様だ。


「アニキなにやってんの ?」

「いや、弁当作っただけだ」

「ん、アニキの弁当やっと食える!!ありがと、アニキ」

「あぁ。どういたしまして」


「あ、そうそう。アニキ ?」

「どうしたんだ ?」

「今日、水篶さんと秋葉さんが迎えに来るってさ」

「は !?なんなんだよ、それは。俺はいつも通りに行くけども ?」

「いやいやいや、無理だって。もう来るし」


皐月がそう言った瞬間、タイミング良く俺の家のインターフォンが

鳴る。嘘だろ........。行く準備も終えていないというのに。


「あ、来た来た。上がって下さい !!水篶さん、秋葉さん !!」

皐月が猛ダッシュで玄関に向かった様に見えたのは俺だけだろうか。


「お、お邪魔します」

「お邪魔しまーすっと」

そして2人、水篶と秋葉が靴を脱ぎ、俺の目を見た後、


『睦月くん !!!!!』

と俺の名前を呼び、俺の所へと飛び込んで来る。

それも2人同時にだ。


「睦月くん、わ、わたし心配で眠れなかったんだよぅ ?

一体何処へ行っていたの ?本当に、本当に........心配で」

水篶はそう言う。そして水篶の頬には涙がこぼれる。


「睦月くん、私だって心配してて警察行こうかどうしようか

悩んでいたんだけど、睦月くんなら何も言わなくてもしなくても

帰って来るって分かってたよ ?」

秋葉はそう言う。だが秋葉はぎこちない作り笑いを浮かべていた。


その間、俺の今の状況、水篶と秋葉に抱きつかれている状況を

見ている皐月はあたかも仕組んだような感じニヤニヤと

笑っている。いやあたかもではなく確実にこれが狙いだな。


「すまなかった。水篶、秋葉。俺も2人になんというか、

3日ぶりに会えるのは嬉しいよ。心配してくれてありがとう。

だけど1ついいか ?その......離してくれ」


俺がそう言うと2人は状況を改めて理解したのか、

または我に帰ったのかすぐに俺から手を離し、

2人の顔が急に赤く染まっていく。


「ま、とりあえず遅刻はしたくないから早めだけども

学校、行くか ?」


俺がそう言うと2人は黙って首を縦にブンブンと振った。

そしていつもより早く、俺は家を出た。

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