月の名同士の衝突・無人島脱出篇part28 “脱出不可能な島からの脱出方法„
「イエェェェエェェェェイッ!!しませんかせんせー復活ゥゥゥ!!」
と、倒れた筈の島 鮮科先生が勢い良く起き上がる。
「オイオイ、人格が入れ替わるたびに倒れるのかよ、面倒くせぇな」
「やだなぁ!!!面倒くさいなんて面目ないよー。全くゥゥゥ」
「それが面倒くさいんだよ。で、単純に入れ替わる理由は何なんだ ?」
「そんなのも分からないのかよ、面倒くせえ。ま、私が研究と開発。
んでもう一人が解析と解説といったところか ?」
なるほどな。今の島 鮮科先生がキチガイなのは置いておいて、
入れ替わる前の冷静な島 鮮科先生が解析と解説というのが
合点がいくな。
「じゃあ、話を戻すが。脱出方法があるとかないとか
言っていたけども、結局のところどうなんだよ ?」
「あぁ、ない訳じゃあないさ。ま、ついてこい!!」
そう言うとキチガイな方の島 鮮科先生がムーンウォークをしつつ、
分厚いドアを開け、中に入っていったので俺も斬月を叩き起こし、
ついていく。
そして中に入る。その中はとてつもなく広い研究室となっている。
まさに飛行機などの整備ドックの様な広さだ。
「神代先輩、起こしてくれたのがとても有難いのですが、
現状が全く把握出来てないのですが。ここはどこですか ?」
「単純に、脱出方法を持っているかもしれないって言っていた
人の元にたどり着いたんだよ。お前が吹き飛ばされた、
諫早 皆月を倒してな。あとは察してくれ。あそこに居るキチガイは
悪い奴じゃない。元々は人造能力者研究開発局の人間らしいが
逃げてきた所を捕まったんだと」
「なるほど。あとは何となくですけど分かりました」
「ねぇねぇねぇねぇ、いつまで2人で仲良く喋ってるの !?
仲間に入れてよぉー !?全くさー。脱出したくないのー ?」
そう言うとキチガイな方の島 鮮科は俺達にくっついてくる。
「すまなかったから離してくれないか ?」
「すいません。離して下さい」
「全く釣れないなぁー♪ま、いいや」
そう言うとキチガイな方の島 鮮科が指をさす。
「あれが例の、脱出方法だ !!」
その指をさした先にあったのはロケットの様な形のものだった。
「あれは何なんだ ?」
と俺が言うが、キチガイな方の島 鮮科は地べたにまた、
突っ伏していた。
全く。面倒くさい人だ。




