月の名同士の衝突・無人島脱出篇part27 “人造能力者研究開発局の実態„
「では改めて。私は島 鮮科。元々あの五十嵐 喰月の居た、
人造能力者研究開発局の研究主任だったのだが、あそこでの
研究に疑問を感じ、逃げ出したら捕まって脱出が不可能な
この島に連れて来られたというわけだ。
ちなみに主に研究していたのは月の名の持ち主の特性と
その月の石だ。何か聞きたい事はあるか ?」
先程までのキチガイっぷりがないとすると...。
「まさか、2重人格か ?お前」
「あぁ。そうだが ?というかそのお前口調止めてくれ」
「分かった。あと聞きたい事は2つだ」
「言ってみろ」
「まず1つ目だ。この島が脱出不可能と言っていたが、
それはどういうことだ ?」
「簡単な話さ。この島は元々はあの長門 嘉月のαグループの
持っている島なんだ。だから助けを呼べるのは長門 嘉月本人、
αグループの社員位だ。だから助けは無理。そして自力といっても
この島は本州からけっこう離れているため不可能。そういうことさ」
「なるほど...。じゃあ、とりあえず2つ目だ。
人造能力者研究開発局の研究に疑問を感じていたと言っていたが
どういうことだ ?」
「単純な話、裏に政府がいるから何でも出来てしまう。
例えば人体実験とかな.............。おかしいだろう ?
その人体実験の完成形があの姉妹だよ。
あとまだ君達の様な、月の名の持ち主の話は表に出ていない。
これが全世界に知られてみろ ?どうなるか君には分かるな ?」
インファストラスとスヴャストラスのことか。
そんな経緯があったのか。
「俺達の力が知られたら確かにヤバい。
おそらく普通の人間なら恐怖心を抱き殲滅しようと
考えるな。違うか ?」
「ご名答。その通りだよ。その殲滅兵器を人造能力者研究開発局で
研究もしていたわけだ。あの研究局はもう何でもありだ。
私が脱走してから、今度は五十嵐 喰月の奴が月の石に興味を
持ち始めたしな。私の研究成果は私の頭の中と別に研究局にも
あるから、私が居なかろうが研究は続行出来る」
「殲滅兵器か...。確かに何でもありだ。
ちなみに五十嵐 喰月は元メンバーと言っていたが
どういうことなんだ ?メンバーとは違うのか ?」
「アイツは1度辞めたんだ。研究局をな。あれはまだ正常だった。
だが少し経って、戻って来た。丁度、研究に疑問を感じ始めた時だ。
そして脱走する前に聞いたところ、研究局に金で雇われたと
言っていたし、それに私は月の名の持ち主を殲滅するとも
言っていた。つまりなにか復讐したい事があるんじゃないか ?」
「復讐したいことか...。まぁ人造能力者研究開発局のことは
よく分かった。で、お前はこれからどうするんだ ?」
「お前口調は止めろと言ったはずだが ?」
「じゃあ、しませんかー先生 ?」
「それでいい。私はとりあえず帰ろうか、迷っている」
「やっぱり脱出手段はあるみたいだな」
「あぁ.......................グゥウウウ、アアアアアア !!」
突然、しませんかー先生が床に倒れた。
いまだに斬月は目を覚まさない。




