月の名同士の衝突・無人島脱出篇part22 “一瞬の出来事„
中に入ると近くに居た奴が拳銃を向けてきたため、
斬月に合図をし、峰打ちで気絶させる。
俺達は裏口から入ったため分かりづらいが、
この建物の作りは真ん中が吹き抜けらしく、
そこに警備が集中している。
裏口が階段の後ろにあるということは、
当然2階もある。2階も吹き抜けを囲む様に部屋のドアが
並んでいる。そこにも巡回している奴らは居るようだ。
まず、俺達が探している人物が2階に居る可能性は極めて低い。
何故なら1階の警備に比べ、極端に人数が少ないからだ。
つまり、1階。どうやら真ん中に警備が集中する理由が
分かって来たかもしれない。そこに辿り着くには
まず見える奴を無力化しなくてはならない。面倒なのは2階に居る
奴らだ。なにせマシンガンらしきものを持っているように見える。
「斬月、階段落とせるか ?」
「え、どうしてですか ?」
「いいから」
階段を落とすことで2階の奴らの逃げ道を無くす。
念には念を入れておく。一応。
「斬月、階段を落とすことができたら2階の奴らのきをひいて
陽動も宜しく。いいな」
「まぁ、神代先輩は何かを考えているようですし」
吹き抜けの所を集中して警備している奴は4人。いけるか ?
そして斬月が日本刀を構え、2回勢い良く降り下ろすと
見事に階段が落ちる。その異変に気づいた吹き抜け警備の4人と
2階を警備する奴らが階段側、つまり裏口側に振り向く。
俺はその隙を見逃さず、手に持ったハンドガンを構え
トリガーを4回引き、撃つ。その隙に斬月が片手に日本刀を携えて
飛び出し、2階の奴らの気を引く。俺の撃ったハンドガンの弾丸は
吹き抜け警備の4人の太ももに当たり、痛みでもがいている。
そしてまたハンドガンのトリガーを2回引き、今度は2階の奴らを。
2階の奴らには腹部を撃ち、死にはしないが気絶をしてもらう。
1階のもがいた奴らも俺が2階の奴らを撃っていたときに
斬月が無力化してくれていたみたいで、
建物内のクリアリングは一瞬で完了した。
「よし。斬月、ナイスフォロー」
「いえいえ、神代先輩の考えていたことを理解しただけですよ」
「あぁ、どうやらそうみたいだ」
「で、神代先輩。問題は............」
「あぁ。これだ」
そう言うと俺は床のタイルに指をさした。




