月の名同士の衝突・無人島脱出篇part15 “月の名同士の衝突„
そしておそらくだが雷、白い雷が落ちた場所に着く。
そこには見覚えのある人達がなにやら話している。
俺は茂みに身を隠し、聞き耳をたてる。
「それで結局、貴様は何が目的なんだ」
「いやだなあ、長門くんは。ここまで聞いておいて
まだ分からないなんて。全く、君らしくないよ ?」
「私の事を全然知らないのにらしくないと
ほざくか。五十嵐 喰月」
「ハハハッ。そう怒るな。じゃあ、話そうか」
αグループ社長の長門 嘉月と人造超能力者研究開発局の
五十嵐 喰月がここで何を..........。
「私が君の脱出不可能、この無人島でやろうとしていた
脱出ゲームを乗っ取った理由だが.........」
よく見れば五十嵐 喰月の後ろに、俺を襲ってきたことのある
淡いブルーの髪を持つインファストラスとスヴャストラスが
居る。確か、五十嵐 喰月は元メンバーとか言っていたが。
どういうことだ ?
「君も見ていたなら分かるだろうが、私の目的はこれだよ」
五十嵐はそう言うと足元を指す。その足元は地面、
土の地面の筈が、白く変色している。まるで石の様に。
「これは今、私達月の名の持ち主が強いオーラを発し
威嚇しあっている、いつでも戦闘出来るよう態勢を整えている
から生成された万能な特別な石でね」
「それがどうした」
確かに長門 嘉月はあの時とは違い戦闘態勢、凄いオーラを
感じる。
「私の目的はこの石をを回収することだ。それには
月の名同士を戦わせる必要があるのさ。また、この石が生成される
条件に、月の名の持ち主の中でも強い者、つまりリーダー格な人物が
戦う必要があるのさ。私は神代 睦月君が誰か強い者と戦い、
生成されたものを拝借しようかと思っていたが
長門くんが自らこの島を取り返しに来てくれたから
早く済んだという訳さ。ありがとう」
「たかが石ごときで礼を言われる筋合いはない。
しかも私の脱出不可能を乗っ取った五十嵐 喰月、貴様にな」
「だから、そんなにカッカするな。そしたら面白い事が
すぐに終わってしまうじゃあ、ないか。あとこの石はただの
石ころではない。これは長年私が研究してきた石なのだからな。
この石は月の石と私が名付けた。強い月の名同士が戦うことにより
生成される幻の石。これはこのように粘土の様になるし、
こうすると固まる。変幻自在の石なのだよ」
「フッ、くだらん。そんな月の石を収集するために
私の脱出不可能を乗っ取ったのか。ふざけているな」
あの石..............。
あの石って俺の持っているのと同じじゃないか ?
だが俺の持っている方の色合いが少し違う ?
五十嵐の持っているのより更に白い。
「さ、その面白い事をしようじゃないか。
長門 嘉月くんはここで人生にさよならだ。やれ、
被験者達よ」
「了解しました。任務を遂行します」
五十嵐 喰月の後ろに居るインファストラスとスヴャストラスが
声を合わせて言う。そして長門 嘉月目掛けて走り出す。
「長門 嘉月以外の月の名の持ち主を確認。どうしますか ?」
しまった !?見つかったか !?
「ハハハッ。面白い。面白いぞ。どうやらそこに居るのは
神代 睦月くんらしいぞ。ハハハッ」
「睦月君がか ?そこに居るのか ?」
見つかったか。仕方ない。
「あぁ。俺だよ」
俺は茂みから出て。言う。
「これで邪魔者を一気に駆除出来るということだ」
五十嵐は自ら殺気を出していないが、
「邪魔者、か」
長門 嘉月は凄まじい殺気を出している。
「どうするんだ ?」
俺は長門 嘉月に問う。
「倒される位なら倒し返すさ。睦月くん」
「分かった。一時的に協力っていうことでいいな」
「あぁ。問題ない」
「それでもそちらは2人。こちらは3人だ。勝ち目はない。
やれ、被験者」
「了解しました」
「速やかに命令を遂行、指定されたターゲットを」
「駆除します」
インファストラスとスヴャストラスが交互に言う。
俺と長門 嘉月は一時的に協力することに。
俺は五十嵐の言っていた月の石を剣にしたものを
取りだし、構える。長門 嘉月はなにも構えていない。
「お前、素手で大丈夫なのか」
「睦月くん。私は一応護身術位は心得ている」
「そうか。ならいいか」
五十嵐 喰月は後ろの方で偉そうな面構えで立っている。
余裕と言うことか。許せない。




