月の名同士の衝突・無人島脱出篇part13 “無人島にて親友と再会„
斬月はスースーと音をたて熟睡しているが
俺はまだ焚き火にあたっている。奇襲を仕掛けてきた
奴もいびきをかき熟睡中だ。さっきまでは気絶中だったがな。
その時、この焚き火をしている周りの森、木が揺れる。
風か ?いや人の気配がする。俺はすぐに謎の石を剣に変え
地面を蹴り、気配の場所へ剣を振りかざす...が。
俺は途中で剣を止めた。
「おいおい、睦月。俺は仲間だぞ」
「あぁ、すまない」
「全くだ。ま、一応そのままソイツを振りかざしても
避けられたちゃあ避けられたけどな」
「それは良かった...ってオイどうしたんだ !?文月 !?」
再会した文月の背中に1人の少女がいる。
いや、背負われている。それも血まみれで。
しかも......見覚えがある。
「あぁ、襲われちまってな。それで俺を庇った」
「何で落ち着いてんだよ !?山吹さんが、血まみれで !?」
「睦月。お前も落ち着けよ。持ち前の冷静さで」
「んなこと言っても」
「今はただ、服が血まみれなだけだ。止血もしたし、
手当ては終わっている。意識が無いだけだ。あとは問題無い」
「なら...大丈夫なのか ?」
「あぁ、しばらくすれば意識が戻るだろう」
「そうか。でもなんでそこまで分かるんだ ?」
「いや、それは俺にも分からないが何故か分かるんだ」
「そうか................」
おそらく。こういうことが文月の才能という能力なのか ?
「文月。とりあえず場所が悪い。移動しよう」
「あぁ。同意見だ」
その時、ちょうど斬月もタイミングよく目を覚ました。
「先輩、事情は一応聞いてました」
「そ、そうか。なら話が早い。俺達を奇襲した奴は
そのままでいい。ロープは切っておいた」
「分かりました」
「睦月。ちなみにソイツは誰なんだ ?」
「僕、ですよね。すみません、自己紹介が遅くなりました。
僕は木枯 斬月と言います。中学3年生です」
「じゃあその日本刀、お前のか ?」
「いえ。元々は睦月さんが持っていたんです」
「なるほどな」
文月も流石だ。察しが早いな。
斬月も侮れない。これだけ人数が居れば安心だな。
俺達は拠点に戻るべく山に向かった。




