月の名同士の衝突・無人島脱出篇part11 “崖を降りる有名な方法„
山の頂上まで来た。頂上までの道は急勾配が続きなかなか
厳しかったが流石運動部。斬月は苦しい顔を見せなかった。
「綺麗ですね。海」
「あぁ。周りが見事に海ばかりだ。孤島ってとこか」
そしてこの山々は島の中央部付近に円形に連なり盆地を形成。
内側と外側が山のお陰で完全にシャットアウト状態だ。
「さてここからどうしようか」
「えぇ。このまま下っても崖になってますし、
だからと言って頂上から降りられそうな場所に移動したら
日が暮れますから...........」
「よし斬月。降りるぞ」
「降りるってどうするんですか」
「この崖、崖にしては傾斜が結構緩やかじゃないか ?」
「そう言われて見るとそう......ってまさか !?」
「あぁ源義経を見習おうか。まぁ、このままかけ降りたんじゃ
大怪我じゃあ済まない。だからこれを使うんだ」
「なるほど。それなら行けそうですね」
俺が取り出したのはあの白い謎の石だ。
これをソリのようにすれば問題ないという思いきった方法だ。
「こんなもんか。運んで来るの実は結構キツかったが」
「まぁ、持って来なければもし殺し合いに巻き込まれたら
神代先輩何も出来ないですからね。でも鎧状にして持ってくるというのは
神代先輩らしい発想ですね」
「あぁ。疲れたがそれなりに楽だったからな。最近あまり運動してないから
だとは思うが鎧状といってもこの石、そこまで大きくないから薄手の鎧みたいな
感じだったけどな」
「よし、行くぞ斬月。ここに」
「はい」
結構大きめのソリ、そしてとても頑丈なソリで山の頂上から
比較的緩やかな傾斜の崖に飛び出した。
「せ、先輩 !!お尻がイタッ......」
「スマンが無駄に喋ると死ぬぞ」
そして俺達2人は普通では考えられない方法で崖をかけ降りた。
「し、死ぬかと思いました........」
「だらしないぞ剣道部。まぁ、この石のお陰で源義経の方法、
崖をかけ降りることは出来たんだ。さて、早速探索だが準備はいいか ?」
「いえ、まだ装備が..............」
あの手紙の差出人が用意したであろう拠点にあった装備のなかで
使えそうなものは一応持って来た。
斬月は軽量でかすり弾ぐらいしか防げなさそうな防弾チョッキ。
本人いわく剣技のスピードが落ちるからだそうだが。
俺は文化祭の時、なぜか銃が使えたためハンドガンを2丁携帯。
防弾チョッキは重くて着ようとは思わなかったため来ていない。
その代わりに例の白い謎の石を鎧状にして装備している。
「いいですよ、先輩」
「じゃあ、例の煙が出てた場所に行くか。案内してくれ」
「分かりました先輩」
俺達は焚き火の煙が出ていた場所、おそらく人が居るところに
向かった。そこに居る奴が文月達だったらとても助かるが
なんでだろうか、そんな風に上手くいかなそうな予感がする。




