月の名同士の衝突・無人島脱出篇part9 “現れた者„
胸騒ぎがする。誰か居るのか ?
いや誰も居ない筈だ。だが嫌な予感がする。
俺は起き上がる。
すると目の前に武装した淡いブルーの髪を持つ少女が2人。
「ターゲットを確認。神代 睦月本人か確認を」
「了解。.........呼吸数、心拍数ともにパターンに確実に一致。
神代 睦月本人と断定、お姉さま」
すると少女のうちの1人が武装していた拳銃を向けてくる。
「おい、なんなんだよ。お前らは!?
見たところこの島に連れて来られた奴には見えないが」
「他言無用。貴方を処分する命令が下っている」
「お姉さま。無駄に話をする必要はないです」
「それは分かっている。だが一度だけ試してみたい。
私達を一度見ただけでこの島に連れて来られた奴ではないと
見抜く程だ。このターゲットは面白い」
「お姉さま。それは面白そうですが命令違反です」
「いいだろう ?一度だけならば」
「仕方ないですねぇ、お姉さま。一度だけ、ですよ ?」
「なんなんだよ。勝手に試すとか」
ちっ。斬月はまだ寝てる。ここは俺だけで切り抜けるしかないな。
やはり嫌な予感がする。俺は斬月の横にある日本刀をすぐさま手に取る。
その嫌な予感は見事に命中。問答無用で拳銃のトリガーを彼女らのうち
1人が引いた。もう1人は楽しそうに見ている。
「クッッッ !!」
俺は自然に日本刀を持つ手を拳銃に向けて動かす。
「んな !!?」
「んふふ、お姉さま。やはりただ者ではないですよ」
「銃弾を切ったのですね。やはり貴方は危険です」
俺が、銃弾を切った ?んなバカな。剣道部であの時水だけを切った
斬月ならまだしもいまだに才能という能力が分からない俺がか ?
驚きのあまり、日本刀から手が離れる。
「先輩 !!」
やっと気配に気づいたのか、斬月も飛び起き俺の手放した
日本刀を手に取り構える。
「先輩、これはいったい !?この人達は !?」
その時だった。彼女ら2人は身を翻したのだ。
「お姉さま、時間切れです」
「分かっている。命拾いしたな。ターゲット」
「待てよ、お前らはなんなんだ ?」
なんなんだ、奇妙で仕方がない。この2人組は。
「お姉さま」
「あぁ。神代 睦月、その切った弾丸の分だけ教えよう」
そう言うと2人が息を吸い、気味が悪い位同じ調子、トーンで答えた。
『私達は政府直属超能力者特別研究開発機構人造能力者研究開発局、
被験体、人造超能力者いや、人によって造られた月の名の持ち主』
そこまで息を合わせ言うと今度はバラバラに言った。
「被験体ナンバー002、インファストラス・ムーン=スノー」
「被験体ナンバー001、スヴャストラス・ムーン=スノー」
と冷たい声音で続ける。まるで1人が2人になったようだ。
双子.......双子にしては何かが.......違う。
「これでその弾丸の分だけ話した。次会うときは.....」
「殺す、ですねお姉さま」
「あぁ」
そう言い彼女ら、人工的に造られた月の名の持ち主の
インファストラス・ムーン=スノーと
スヴャストラス・ムーン=スノーは俺達の前から姿を消した。
スヴャストラス・ムーン=スノー、おそらく姉の方からは冷たく
恐ろしいオーラ、殺気を感じた。
インファストラス・ムーン=スノーも侮れないな。
「なんだったんですか、神代 先輩」
「一言で言うならば、なんらかの理由で俺を狙う奴ら、かな」
「そうですか !?ですが大丈夫です。僕が守ります」
「おぉ、それは頼もしいな。だが、そんな余裕があれば自分の命を守れ」
「ですが.........」
「俺は大丈夫だ」
「そうですか」
いきなり現れた来訪者、いや暗殺者は俺を試したのか。
それより早く、文月達と合流しなくてはな。




