月の名同士の衝突・無人島脱出篇part3 “武器の交換、謎の石„
「弓張月市って俺と同じだな。えーと、俺の名前は...」
木枯 斬月に続き俺も自己紹介をする。
「俺の名前は神代 睦月。弓張月市に住んでいるけど
俺の高校がある事件で...。今は滅赤市の赤雪高校に通ってる
高校1年だ。えーと君は、なんて呼べばいい ?」
「呼び捨てで大丈夫ですよ。先輩。神代さんは僕の1つ上なので
先輩って呼びますけど...いいですか ?」
「あぁ、構わない」
「いきなりですけど、神代先輩ってあの神代先輩ですか !?」
「あのってどういう ?」
「弓張月学園を救って、今いらっしゃる赤雪高校の文化祭も
救ったていう......神代先輩ですか ?」
「あ、あぁ。一応」
「本当ですか。そんな先輩と出会えるとは僕、ついてますね」
「そうか ?」
「はい」
「なぁ、斬月。お前のもっているの。それは石か ?」
「あぁ、これですか。そうなんですよ。手紙には武器とあったはず
なのですがね。僕のところにはこの白く輝いた石が」
「俺は日本刀だったけどな。いきなりだが斬月。俺と組まないか ?」
「はい ?」
「だから、この島で生き残るには協力は大事だろ。あと俺は
誰も殺さずここを出よう、脱出しようと思ってる。
もし組んでくれるなら、その石ころとこの日本刀変えてやるよ」
「本当ですか。変えてくれるのも誰も殺さないのも」
「あぁ」
「分かりました。そうしましょう、神代先輩」
斬月はそう言いつつ、白く輝いた石を重そうに渡してくる。
俺は受けとる.................が。
「なんだこれ ?」
俺が掴んだ瞬間に硬い、硬い粘土のように少し変形したのだ。
「なんでしょうか、これ。僕が持っているときは石の様だったのですが」
「本当だよ、これ。あ、固まってきた。」
そう。俺の握った跡がついたまま固まったのだ。
「もう一回。今度は剣みたいにしてみっか」
そう言い、俺は手を動かし剣をかたどる。
「よし。こんなもんだろ」
そうすると白く輝いた石が更に輝き、固まった。
「うわ、もうこれ鉄レベルにカッチカチだぞ斬月」
「本当ですね。でもこの形なら武器として使えるのでは ?」
「あぁ、そうだな。あとこれ、なんか自分でイメージしたものが
作れるぞ。柔らかくなって欲しければ、この通り」
剣の形にかたどり、カッチカチだった石の様ななにかは
液状の様にドロドロしたものになり、また剣をイメージし、
かたどると元に戻った。
「本当になんなんでしょうか。僕もよく分かりません。
なにせ神代先輩が触ったらそうなったので。」
「そうか.......。でも考えたところで分からないから、とりあえず
前に進んで行こうぜ。この謎の石もそのうち分かるさ。
あとこれ、日本刀な。剣道部なら分かるだろ ?」
俺は自分の手紙の横にあった日本刀を手渡す。
「はい。ありがとうございます。これで僕も神代先輩も
なにかあれば自分を守れますね」
「あぁ。さて、この謎の石は有効活用することにして
今後の話をしようか。じゃないと日が暮れるからな」
「はい !」




