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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第6章月の名を抹消する者篇
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月の名を抹消する者篇part8 “月の名を抹消する者を知る者„

「もしもし、父さん?」

俺は家に着き次第、直ぐに父親の神代 海月に電話を掛けた。


「もしもし ?睦月か ?」

「あぁ、俺だよ。父さん。ちなみに今何処にいる ?」


「えっとだな、さっきまでフランスのパリに居たんだけど

今、スリランカのスリジャヤワルダナプラコッテという

長い名前の首都に居るんだわ。」


「なんでまた、そんな所に」

「済まないが、息子のお前にもまだ言えないんだ。悪いな睦月」


俺の両親は海外で共働きだ。だが父親、

神代 海月がしている仕事についてはあまり口を開かない。

何故だかは分からないが、俺は触れないことにしている。

なにせ仕送りが止められるかも知れないからな。

仕送りのお陰で贅沢できているのだし。


「んで、どうしたんだ ?睦月。俺に電話とは珍しいじゃないか」


「あぁ。父さん。いきなりだが、五十嵐 喰月という男を

知っているかどうか、気になって」


「何処でその名前を聞いた」

父さんの声音が変わった気がする。


「昨日、本人に会った」

俺は短く答える。


「奴とは関わらない方がいいぞ、睦月。俺の息子として

言っておくがアイツは危険だ。だが、何故アイツが............

いや、何でもない。気にしないでくれ」


「なぁ、父さん。何か俺に隠してないか」


「あぁ、正直なところ隠してる。まだ言う時じゃない。

まぁ、睦月。アイツ、五十嵐には関わるな。お前はお前じゃなくなる」


「それって...........」

俺の言葉を遮るように父さんは話を続ける。


「お前も見たのだろう、何かを。深く関わろうとするなよ。

まぁ、睦月。最後に1つ言っておくが困ったら俺に電話をくれ。

いいな、俺も今忙しいから電話切るぞ」


「あ、父さん、」

「じゃあな、睦月」


俺の父さんは何かを隠したまま電話を切った。

だが、父さんは五十嵐 喰月を知っていて

おそらく何かがあったことは察した。今はそれだけで十分だ。


いずれ父さんが話してくれる時が来るだろう。


俺は電話を置き、皐月が作ってくれた飯を食べたのち

直ぐに寝てしまった。


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