親友との再会篇part7 “とんだ無駄足„
この脱出ゲームは最初から屋上というゴールを
設定することで人間は自然に上を目指す習性を
使った脱出ゲームだ。おそらくだが。
単純に俺は見事に引っ掛かったというわけだな。
となるとゴールは4階のダクト口だけだ。
はなからゴールはあったわけで。
簡単で難しい脱出ゲームということだ。
「さて、ここから出ないとそろそろヤバいな」
もう毒ガスは腰に来ている。
「スゥウ_________________」
俺は深く息を吸い込み、この5階から4階へと
階段をかけ降り毒ガスの中を進んだ。
俺でもせいぜい息が続くのは1分半だ。
急がないと..........死ぬ。
4階に着く。...........ダクト、ダクトっと。
俺はダクトのカバーを毒ガスの中息を止め、外す。
いや、外せない..........だと。
く、なら無理やりブチ壊すだけだ。
俺はその場から飛び、構えをとる。
「ッッッッッッッッッ !!!!!!!!!!!!」
俺はダクト目掛けて回し蹴りを空中で
繰り出した。
俺の考えの通りダクトには大穴が空いた。
「クハッ................息がヤバいな」
俺は空いた大穴からダクトのカバーを力任せに
引っ張り、取り外した。
そして俺はダクトに侵入しホフク前進をして
4階から3階、3階から2階と下がり、
1階へとたどり着き脱出することは出来た。
ギリギリだった。下手したら死んでいた。
ダクト出口には紙が1つ落ちていて
内容はクリアおめでとうよくぞ生き残ったという
1文だけで名前は書いていなかった。
「とんだ無駄足だった。俺を呼んだ奴も不明で
命がもつかヒヤヒヤしたし。ホント、無駄足だった」
俺はこの毒ガスで満杯になったビルをあとにし、
家へと向かった。無駄足だった。




