“実妹 one'srealsister„続き
2015/4/12(日)改稿。
2015/10/22(木)再改稿。
準備といっても基本的には着替えるだけだった俺は部屋のその辺に転がっていたジーンズに白いTシャツを着て、それに黒いスウェット生地のパーカーを羽織って皐月の待つ、玄関に向かった。
「あ、来た来た。じゃあ早速行こう?」
そう言う皐月も上下モフモフの部屋着のままで
どこに行くのか少し分かってきた気がするが聞いてみることにした。
「なぁ、一体どこに行くんだよ?」
「え、最近オープンしたばっかなのに知らないわけ?」
「あぁ……分からない」
「へぇ……じゃあ着いてからのお楽しみだよ? バカアニキ」
言われるがままに玄関を出て、言われるがままに皐月に着いていくとそれは予想外な場所で、凄い短時間で到着した。
「買い物って……ここでか?」
「良いじゃん! だって新しいからピッカピカだよ?」
そう、皐月は近所にそれまた新しく出来たコンビニ目当てでここまでやってきたのだ。
「まさかコンビニ目当てだとは……」
つい、口に出してしまった。
「うん、コンビニ目当てだよー」
皐月は俺が口に出した言葉に適当に返してきたかと
思うとすぐに店内に消えていったので俺も後を追う。
そして店内で皐月に聞いた。
「お、おいわざわざこの為に俺を起こしたのかよ……?
それもドア蹴破ってまで。もうあのドア何枚目だよ……」
「だってさ、アニキ。新しいものって気になるじゃん?」
ダメだ、完敗だ。今の皐月には敵いそうにない。反論するのに疲れた。俺はもう、今日は皐月に合わせると心に決めた。
「さっきのお詫びも込めて、好きなもの買ってやるよ」
皐月に そう言い残すと俺も自分の買い物をすることにした。
そして数十分、お互いに内装が光り輝くコンビニの店内を散策してレジへと並んだ。
俺がカゴに入れたのは、バリボリ君ミネストローネ味と清涼系の小さなラムネ状の物がたくさん入ったフリースク、学校の授業で使うノートを何冊かと入れていたのだがカゴの中身は圧倒的に皐月のものばかりだった。
「六千七百五十円になります」
店員から驚きの価格が告げられる。皐月のせいで早くも俺の財布から1万円札が消えた。だが買い物が終わったのだ。喜ぶ点はそこだろう。いや、そこしかない。
その後家に帰って妹の愚痴を横で聞いて、やっとまた寝ることが出来た。
明日は錦織さんとの約束が楽しみだ。