神代 睦月の過去篇part4 “壊れた体、それでも動こうとする自分„
暗い。ここは暗い。どこだ。
何もない、何も見えない。
__________________俺は死んだのか ?秋葉を助けられずに。
__________________いいのか。俺はそれで。
__________________良いわけ無い。良い筈が無いんだ。
暗い闇の中で誰かの声がする。
「そうだ。良い筈が無い、お前はこんなところでくたばる
訳がないんだ。お前は選ばれし、才能の持ち主なのだからな」
「お前は誰だ !?」
俺がそう言うと暗い闇が一変し、
綺麗な星空が天に浮かび上がる。
「お前は死ぬべきではない。生きろ、イキロ........」
綺麗な星空、ひとつひとつの光が強くなり
辺り一面が光に包まれる。
「ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ !!!!!!!!!!!」
猛烈な痛みが俺を襲う。
どうやら目が覚めたようだ。
ここは..................まだ廃工場の様だな。
俺は近場にあった古びた布を負傷したところに
巻き、応急措置をする。
「ンッッッッッッ !!!!!」
もちろん、痛みがヒドイ。
だが、助かった。ここは昔、繊維工場だったみたいだ。
ん ?何だ、あれは。
俺が見たのは、この廃工場の入り口に落ちている
金属だ。どうやら鍵の様に見える。
俺は歩ける訳も無い、ボロボロになった体を
動かし、立ち上がる。
俺は、なぜだか歩く事が出来た。
アドレナリンか ???
そんな事より。
俺は入り口に落ちている、金属を取りに行く。
その金属とはやはり鍵だ。
それも特殊な形の。
「これ、どこかで................。」
そう。俺はこの鍵を見たことがある。
これは確か、電気関係の.....................。
そうだ。これは、どこかのマンションの前とかに
よくある、変電所の鍵だ。
昔、転職する前の父さんが見せてくれた事が
あったっけ...........。
秋葉の居場所は分かった。今度こそ。
俺は動かない筈の壊れた体で
秋葉の居場所を目指した。




