赤雪高文化祭篇part4 “文月の陰謀„
文化祭前の休みを適当に過ごし文化祭当日。
準備は俺が指揮しただけあって完璧といっていい。
今回リアル脱出ゲームを作った場所はどの部活も使う事の無かった、
図書室だ。さっき文月にやってもらったが出ることは無かったから、
大丈夫だ。完璧。開会式が始まるので体育館に向かう。
そして文化祭の開会式も終わり、脱出ゲームの営業を開始する。
図書室の前に行くと早速人が沢山居る。
少し覗くと、水篶達が客寄せをしている。
「な、水篶 !?何だその格好 !?」
そう。水篶達は黒を基調としたメイド服を着用していたのだ。
確かにここに居る人達を見直すと男の比率が高い。
水篶も俺の言った事が耳に入ったらしく人混みを抜けこちらに来る。
「睦月くん...........見ないで。お願い」
水篶も山吹さんも顔が赤い。
「どうしたんだ ?その格好」
「全部、文月君が.......」
「そ、そうか。あいつが、か。ま、水篶も山吹さんも似合ってるから、
客寄せ、頼んだぞ」
「え !?睦月君、待って !!」
「ちょっと俺、行きたいとこあるから、休みの時な ?」
「睦月くんのバカ」
「ハハハハハハハ。んじゃ、あとでな」
「..........うん」
そうか。文月の陰謀だったか。文月の奴..............................ナイス
俺の仕事はとっくに終わっているので後は水篶達に任せる事にする。
「おっ、睦月。今暇か ?」
後ろから声を掛けられる。
「何だ、文月か」
「なんだ、なんだって」
「ちょっとお前何言ってるか分からないが、
とりあえずナイスとだけ言っておく」
「ナイスって事は、お前水篶ちゃん達見たのか ?」
「あぁ。凄く......良かった」
「ッハハハ。なら良かったけどもお前の為じゃないからな。
俺達の出し物の為だからな」
「分かってる」
「ならいいんだけど、睦月、今暇か ?」
「あぁ。暇だけど」
「なら、一緒に来てくれないか ?」
「どこに ? 」
「ま、気にすんな。じゃ、ついて来い」
「無茶苦茶な」
文月が先にどんどん行くので仕方なく着いていく事にした。
連れて来られたのは、1組のメイド喫茶だった。
なるほど。そういうことか。
「お帰りなさいませ。ご主人様」
「え~とVIP席、空いてるか ?」文月が言う。
「えぇ。空いていますよ」
「じゃ、案内してくれ。後、クラス代表の方も宜しく」
「分かりました。では、こちらへ」
俺達2人はVIP席へと案内される。
「お待たせしました。文月君ですね」
「あぁ。メイド服の礼を言いに来たのと、売り上げに貢献しに来た。
あと、こっちは神代 睦月っていう奴です。お見知りおきを」
相手が会釈してきたので会釈し返す。
この後、文月がクラス代表とずっと話していて
俺はボーッとしていたため何を話していたかは把握していないが、
単純な事で文月はメイド服を借りた事で礼を言い来たという訳だ。
1組を出た後、文月は他の大事な用があるそうで文月と別れた。
そして俺は、休み時間に入る水篶達のもとへ向かった。
第4章の脱出は後半ですよ。




