赤雪高文化祭篇part2 “文化祭の出し物決め„
部室に着くと、文月が待っていた。後ろには黙々と本を読む人が居る。
「おう、睦月。来たか.......オイ、お前の後ろに居る人.........勧誘したのか ?」
「まぁな」
「注文通りの部員さんで.....いいんだが、睦月、どうやって......
そんな可愛い子を.............」
どうやら水篶の事を言っているようだな。
「え~とだな...」
「思い出した。お前と同じ学校からの編入生だったな。
もしや、お前の彼女か ?」
「そ、そんなんじゃない、ですよぉ......」
水篶が照れながら言う。俺も
「そういう訳では無いぞ」とフォローを入れる。
文月も納得した様で
「そうか。スマンスマン。じゃあこれで推理小説部は出し物が出来るって
もんだな。じゃあ自己紹介でもすっか」
文月が自己紹介を開始する。
「俺は、この推理小説部の部長、霜凪 文月ていいます。
ハマっていることは睦月と同じ脱出ゲームです。後は.......睦月と昔から
知り合いってだけかな。お願いしまーす。じゃあ次、睦月」
「俺か」と言うとさっきまで本を読んでいた山吹さん ?がこちらを向いてくる。
「え~と、神代 睦月って言います。ハマっていることは脱出ゲームです。
後は、文月とは昔から知り合いで、水篶とは同じ学校から来たってぐらいかな。
宜しくお願いしまーす」
「え~と、山吹さんは後で良いよな」
文月が山吹さんに聞くと山吹さんは頷く。
同じ小説好きだからかもな。合図が取れているのも。
「じゃあ次、睦月の隣の君でいいかな ?
悪いがクラスの自己紹介聞いてなかったんだ」
水篶が自己紹介を始める。
「え~と、錦織 水篶と言います。得意な事は.....習字やお琴、茶道などの
日本ならではの物です。私の家がその、名家の血筋なので。
好きな事は.......秘密です。宜しくお願いします」
「へぇ。水篶ちゃんて言うんだね。これから宜しく。
さて、最後に令月。出来るよな ?」
山吹さんが頷く。
「や、やややや、山吹、令月て言います。す、好きな事はど、読書です。
よ、宜しくお願いしますっ」
言い終わると勢いよく椅子に座り込み、小説を読み始める。
「令月は心の許せる人しか目を合わせないんだ。
まぁ、そのうち慣れて来ると思うから。さて、もう本題に入ろうか。」
文月が仕切り始める。まぁ、部長だしな。
「え~とこの、推理小説部の出し物なんだが。案がある人居ないか ?」
皆黙り込む。はぁ。ダメ元で言っておくか。
「え~とだな。脱出ゲーム、リアル脱出ゲームなんてどうだ ?」
「良いね !!!それ。賛成だわ、ていうかもうそれで良いよな」
1番最初にかぶりついたのは文月だ。まぁ、予想はできてたが。
「うん。私もいいと思うよ ?色んな人達が楽しめそうだし......」
案外、水篶も賛成してくれた。
「..............わ、私もいいと、お、お思う.......」
意外にも山吹さんも賛成した。
この状況を見た文月は、
「じゃあ、それでいくか。部活の出し物完成は今週末までなんだわ。
お前ら2人は編入だったから仕方ないよな。んで、文化祭当日が
来週という訳だ。気合い入れていくぞ ?ま、今日はもう遅いし、終わりで」
マジか。もう文化祭なのか。ヤバイな。
「よし、帰るぞ」文月が帰りの支度を終え、部室を閉める。
そして初の部活は終了したのであった。
帰りは水篶と駅まで帰り、俺は自分の自宅へと流れ着いた。
お疲れ様です。




