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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第3章月の名を持つ者篇
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月の名を持つ者篇part8 “お泊まり後の帰り道„

「む、睦月くん ?お、起きてる ?

ねぇ、睦月くん ?起きないと、こうだ !!」


「痛っ !!!!」


なんだ水篶か。水篶 !?水篶が俺に馬乗りになっている。

「み、水篶か !?なにやってんだ !?」

「睦月くん ?起きた ?バッチリ ?」

「あぁ、もうバッチリ起きたよ。でも何で ?馬乗りに.........」

「起きないから.........その......」


暗い部屋でも見える赤い顔で水篶が、

「え ?そ、それは.

.............皐月ちゃんがアニキは寝起きが悪いから起こしてねって。

起きなかったら馬乗りになってつねるといいよって」

「又、皐月の奴か。後で覚えて居ろよ、皐月。あ、水篶。ありがとな。

今から俺、なんと言いますか。着替えるから.......分かるよな ?」


水篶の赤い顔が更に赤くなる。

「わ、分かった !!!!!!さ、先に下に行ってるねっ」

「あぁ。ちゃんと水篶の家まで送るから」

「う、うん」


そう言い水篶は下に降りていった。只今の時刻早朝の6時。

水篶の父さんが7時に帰って来るみたいなので、早めに帰るそうだ。

そうして、下で水篶と合流して家を出る。

最初に俺が口を開いた。


「どうだったか、神代家は。楽しかったか ?」

「うん。とっても、とっても。ウチはいつも母さんと父さんだけだから.......」

「そうか。なら良かった」

「うん。でも、睦月くんに.....」

「俺が、どうした ?」

「う、ううん。何でも無いよ。.....何でも」


昨日の出来事が頭をよぎる。

「そ、そうだよな。何でもない、よな....」

「あ !今思い出したでしょ !ねぇ !」

「何の事だか。さっぱりだぞ ?」

「まぁ。いいや」

「そうか。ならいいんだけどさ」

「うん」


そしてしばらく2人とも黙り込む。


今後は水篶から口を開いた。

「あのさ、睦月くん。私達、あさってから編入だね」

「あぁ。そういえばそうだったな」

「もう。そんなこと、忘れてたの ?」

「いや。そういう訳じゃなくて。どんな名前の高校だったかなぁと」

「ふーん、そんな事忘れてたんだぁ ?睦月くん、今日何か抜けてるね」

「休みだからな」

「私達が編入する高校は、所佐波ところざわ市の下にある、東斑山ひがしむらやま市の赤雪高校だよ」

「そうだったな。赤雪高だったな。どっかで聞いた事があるような......

まぁ、いいか。どうせ行くんだからな」

「そうだね」


そんな話をしていると水篶の家に着く。

「睦月くん。ここでいいよ。ありがとう」

「あぁ、またな」

「うん。あさってね」

「あぁ、あさってな」


そうして水篶を家へと送り、俺は自分の家に帰った。





何もする事無く、家でゴロゴロする事数時間。

「ピンポーン」インターホンが鳴る。

俺は玄関に出る。


「宅配便でーすっ。えーと弓張月学園高校さんからで、赤雪高校の制服ですね。

料金は学校から頂いているので、ハンコだけで大丈夫ですよ」


俺は黙ってハンコを押す。


「ハイ。ありがとうございましたっ。失礼しまーす」


宅配便の明るいお兄さんは去っていった。


俺は早速開けてみる。

中に入っていたのは、黒を基調とし、赤いラインの入ったお洒落な制服だ。

「おぉ。まぁまぁだな」



制服の試着を終えるともう8時だった。

メシはさっきゴロゴロしてた時に皐月と食べたので

俺はもう寝ることにした。



編入前日。

特にする事も無く、家でゴロゴロしたのは言わなくても分かるだろう。



そして、編入当日。俺はいつもより早く起き、新しい制服に腕を通し、

そそくさと赤雪高校へ向かった。



いよいよ編入です。最初の方だけ第3章でやり、

ほとんどは第4章でやります。

第4章は、赤雪高文化祭篇をお送りします。

勿論、脱出もします。脱出不可能な状況から。

新キャラでます。重要なキャラが。


お楽しみに。

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