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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第3章月の名を持つ者篇
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月の名を持つ者篇part6 “立春、神代家にて„

朝起きると、もう2時だった。俺は

「やべぇ。急がないとな」と呟き準備を開始する。

といってもジーパンと白Tシャツに着替えるだけだが。

俺はパーカーを着た後、家を早めに出た。


弓張月駅に着く。すると40分程早い筈なのに水篶がもう居た。

俺は、そこにいる水篶に見とれてしまった。

首もとを茶色く縁取った青いワンピースに黒いショートパンツを

綺麗に着こなした水篶はいつもより可愛く見えた。


水篶がこっちを見る。どうやら気づいた様だ。

こちらに詰め寄って来て、こう言う。

「睦月くん。何を見てたの ?居たなら言ってくれれば良いのに」


だが俺はこれをスルーして、

「み、水篶。今日は早いな。どうした ?」と話を逸らす。水篶は、

「そ、それは、前に待ち合わせした時に私遅れちゃったから........

それはいいとして睦月くん、さっきなんで立ち止まってたの ?教えて ?」

と言う。どうやら話を逸らしきれていなかった様だ。


「それはだな.......」と俺が言うと水篶が顔を近づけて来る。

「それは ?」

「えーと、水篶がだな.....」

「私が、どうしたの ?」

「水篶がいつもと比べて、その....可愛かったから。見とれた?と言いますか

なんと言いますか.............」


これを聞いた水篶が顔を赤らめて、

「............。睦月くんはいつも、いきなり言うんだから。まぁ、嬉しいけどさ

睦月くん、その...ありがと」


「え ?あぁ。どういたしまして ?」

「うん」

「さて、水篶 ?俺の家行く前に買い物行くけど。いいか ?」

「買い物 !行く行く !」

「そうか。水篶は買い物好きなんだな」

「へ ?別にそういう訳じゃないんだけど......」

「じゃあ、どういう訳なんだ ?」

「それは、その............。まぁ、私は買い物が好きなんですよ。買い物が」

「なんで、怒ってるんだ ?水篶」

「ほら、買い物行くんでしょ ?行こう ?」

「あぁ。行こう」



俺達2人はまず、スーパーに向かった。



スーパーに着く。それも、俺がファーズランドのチケットを当てたスーパーに。

「睦月くん。今日は何を作るの ?」

「あぁ。今日は肉じゃがを作ろうかと」

と言うと水篶が、

「肉じゃが !やった。肉じゃが !」とはしゃぐ。

「水篶は肉じゃがが好きなのか ?全く。子供じゃあるまいし。

そんなにはしゃぐな。ったく、周りの視線が痛い」

水篶もやっと気づいた様だ。はしゃいだ時の周りの視線を。

「睦月くん、ごめんなさい」

「あぁ。いいよ。気にすんな」

「ありがと」


俺達2人はじゃがいもと挽き肉を買い、店を出る。すると水篶が

「早く、睦月くんの家に行こ ?楽しみだなぁ」

と言ったので、足早に家に向かった。


家に着くと、もう4時過ぎだった。俺は、

「じゃあ、早速やりますか」と言い、まな板や鍋をいつもの定位置にセット。

そしてじゃがいもを出し、水篶に

「水篶、じゃがいもの皮剥こうか」と言う。

水篶は頷き、じゃがいもを剥き始める。それを見た俺は、

「水篶、皮は剥けるんだな」と言うと水篶が

「バカにしないでよ。それぐらいは私だって出来るよ。

ほら、全部剥けた」

「そうか。なら、このじゃがいも大きいから半分に切るぞ」

「え。私、包丁持ったことないけど大丈夫 ?」

「あぁ。一緒にやれば大丈夫だろ」そう言うと俺は、水篶の後ろに回り

水篶の手を持って一緒にじゃがいもを切る。


「な ?大丈夫だろ ?」

「う、うん.....大丈夫だけど..............睦月くんはあんまり気にしないんだね...」

水篶の赤い顔を見て、理解する。

「あ !あぁ、スマン。悪い。料理に夢中になり過ぎた」

「うん。いいよ。睦月くんなら」

「いや、いいよ。俺が悪かった」

「あ、そう。じゃあ、私1人であとやるね」

「あぁ。分かった。じゃあ、俺は付け合わせやるわ」

「うん」


そんなこんなで料理をしていると、家のドアを開ける音がした。



乙です。

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