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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第3章月の名を持つ者篇
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“明日の予定 Tomorrow's plan„

2016/2/14(日)改稿。

  家に着くと皐月さつきが何時もの如く玄関まで出迎えてくれた。そして皐月さつきが「何処に行ってたの?と聞いてくるので「いやぁ…ちょっと色々とあってな」と言葉を濁しつつ、逃げる様に階段を上る。そして自分の部屋のドアを勢いよく開けるとベッドへとダイブ。


水篶みすずにメールしとくか…」


 そう、先ほど彼女に明日の予定は空いているかと聞かれ

「明日は確か暇だった」と伝えた俺は後でメールすると言っていたのだ。


「明日、暇なのは良いが…予定どうするよ? どこに行くか…?」


 とシンプルに打ち込んですぐ送信。その返事はおおよそ五分後に届いた。


「うーん…誘ったのは良いけどいざ言われてみるとどこにしようか迷っちゃうよね…」


 これを見て電話をした方が早いなと今頃気づいた俺は

彼女の番号を打ち込み、電話を掛ける。


「もしもし?」

「あっ、もしもし? 睦月むつきくん?」

「おう。明日…どうするよ?」

「うーん、睦月むつきくんは何か思いつかない?」


 俺は自然と考え込む。その為、俺と水篶みすずの間には沈黙が暫く続いた。


「…なぁ、水篶みすず

「ん、何か思いついたの…?」

「確か水篶みすずって料理が出来ないって言ってたよね?」

「………お恥ずかしながら」

「じゃあ折角だし、料理教えてあげようか?」

「………ほ、本当に?」


 電話越しに聞こえてくるその声は驚きと嬉しさがミックスしたような

何とも言えないものだった。


「あぁ、本当さ」

「良いの!? …じゃぁ、さ。そのぅ…優しく教えて…くれる?」


 水篶みすずがそう呟く。


「あ、あぁ優しく…教えられるように努力する」

「………じゃあそうします」

「素直だな…。分かった、じゃあ明日お昼時にうちにおいで?」

「うん、分かった。…凄く楽しみ」


「あぁ、俺も楽しみだ。何を作るかは明日のお楽しみという事で」

「うん、それも楽しみにしてるね?」

「………ご期待あれ」


「じゃあまた明日。おやすみ」

「おやすみ、水篶みすず


 水篶みすずとの通話はそこで途切れる。

何を作ろうか、初心者でもできるようなものにしないとなと考えつつ、

ふと気になることがあった俺はリビングへと向かう。


 リビングにはあぐらをかいてテレビを見ている皐月さつきの姿があり、安心した。


「…皐月さつきは明日家には居るのか?」


 そう、ふと気になったのは皐月さつきは居るのかどうかという単純なもので。皐月さつきは大きなあくびをしつつ答えた。


「…ふぁーぁ。ううん? いないよぉ? だって明日は友達と買い物に行くから。お昼前には多分出るかな…? アニキはどこか行くの?」


「…へ? いや、別にそういう訳ではないのだが」


「…嘘ついてるでしょ」


俺の事まで聞いてくるとは。そして図星な事まで当てる妹に半分感心する。


「まぁ…アニキの事なんてどうでもいいや」


 もう少し興味ぐらい持ってくれてもいいだろうとその言葉を聞いて半分悲しむ。


「まぁ、いいよ。皐月さつき明日朝早いなら友達に迷惑かけたらいけないし、寝ろ? 

…俺ももう寝るから」


「はいはい、寝ますよーっと。おやすみ」

「あぁ、おやすみ」


 皐月さつきに確認も取れたし、水篶みすずにも電話して何をするか決まった。やることはやったし、今日はもう良いだろうと俺は自分の部屋へと時間が巻き戻るかのように素早く移動し、再びベットへ飛び込んだ。

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