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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part25 “二人の結末 Two of ending„

「あぁ...そうだな睦月。この戦いを終わらせようか」

文月も俺も言葉に同調してきた。


「俺はこの一撃に...賭ける...ッ!」

俺はへし折れた月の石の大剣を手にとった。


「ならば俺もそれに敬意を持って、この月壊参式“詠„の全てを

出し尽くす...覚悟は良いな?俺も、全力だ...ッ」

文月の乗る月壊参式の形が変わる。いや、装甲部分が削ぎ落とされていく。

そして内部が白く光り輝いていく。


「驚いたか...?これがこの機体の最終形態、

月壊参式“月詠„...ッ!!この形態は月の名の能力者の未来を99,9%で

予知をする...ッ!今までの形態では80%だったところをな...ッ!」


99,9%か...。ほぼ100%じゃないか。

これでは普通敵うはずが無いよな...。だが俺は違う。


「俺は不可能を可能にしてみせる...ッ!

だから俺は...その残った0,01%に賭けるさ文月...ッ!」


「哀れな...ッ!」


俺は片手に折れた大剣を携え、前へと飛んだ。

文月も迷わず正面からその月壊参式に装備された1本の大きな剣を向け、

前へと凄まじい速度で飛び込んでくる。


...だが俺の繰り出したその攻撃は届くことはなく。


...文月の繰り出した大きな剣は背部から俺の左胸を突き刺していた。


「グッ....ハッッッァ!」

俺は口から次々と血を吐き出した。


...心臓を貫かれたのだ。


「文月...お前...」

俺は言葉を淡々につなぎ合わせ、なんとか口にした。


「睦月、お前の負けだ」

文月は何かを惜しむような、そんな口調だった。


どうやら俺は死ぬらしい。

頭の中でこれまでの思い出が浮かんでくる。


「...ハハハハッ、これが...走馬灯というやつかよ」

俺はそこでまた血を吐き出し、言葉を紡ぐ。


「とでも...言うと思ったか文月?俺はただでは死なない...ッ!」

俺は力が抜けて、開いていたままの右手に拳を作る。


「まさか...お前...ッ!」

文月も感づいていた様だ。


俺はただ折れた大剣を持って特攻したのではない。

途中、大剣を捨てて9発のあの弾丸を文月の月壊参式に向けて放っていた。


...だがそれに文月は気づいていなかったのが幸いだな。


「お前のこの攻撃は...命を以て受け取った。

だから...俺の攻撃も...受け取れ...ッ!」


俺は更に右手の作った拳に力を込める。


すると、俺が月壊参式のパイロット操縦席部分に向けて放った

9発の弾丸が音を立ててニードル状になり、パイロット操縦席部分を

貫通させる。


それは外から見ていてもニードルが突き出ているのが確認できていた。


「ま、さかな...そんな豆鉄砲効かないと思って、いた、のだが

こんな仕掛けが...残って、いた、とはな...流石...睦月だな。

たった0,01%で俺に...攻撃を可能にするとは...」


「グッ...ハァッ...文月、これで終わりだ」


俺の攻撃は0,01%の確率で、文月に届いた。

俺は攻撃を受けること前提でこれを思いついたのだ。


「あぁ...そうだな...だが、睦月...お前もだぞ?」


...文月は笑った。


「あぁ...それも...そうだな」


...俺もそれに対し笑った。

お互いにこの時はいつもの学校生活の時の俺たちだった気がする。


...だがそれももう、終わり。


俺は地に倒れ、力尽きた。

文月は月壊参式ごと爆発四散。


俺たち2人の息は...そこで絶えた。

次回から新章です。

これで脱出不可能は第一部完のようなものになります。


今後とも宜しくお願いします。

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