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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part19 “示された答え The answer that has been shown„

 俺が何故すぐに行動に移せたかは、文月の残したメッセージと

襲いかかってきた敵の種類と数に注目すると答えは自然と出てくる。


...ではその残されたメッセージと敵の種類と数を振り返ろう。


1回目:「I cry」私は泣く

...現れた敵:弐式1体。

2回目:「and I Rest a feeling」そして私は心を休ませる

...現れた敵:弐式2体、壱式1体。

3回目:「and I take action」そして私は行動を起こす

...現れた敵:弐式3体、参式1体。

4回目:「In order to try you」お前を試すために

...現れた敵:弐式2体、参式2体。

5回目:「In order to defeat in earnest」本気で倒すために

...現れた敵:参式3体、弐式が1体。

6回目:「I regret I will not.」俺に後悔はない。

...敵は現れることなく代わりにピースサインの画像が表示されている、と。


 これを見る限りだと明らかに襲いかかってきた敵がまばら過ぎる。

そして文月の残したメッセージは一文の長さなど特に決まりがなく、

共通点は英語の文章ということだけ。


...では何故英語の文章にしたのか。日本語ではダメだったのか。


 その理由は現れた敵のところにある。

現れた敵には人造能力者達の姿はなく、ただ数の多い月壊のみ。

そして月壊の特徴としては種類ごとに全てナンバリングされていること。


...この2つを利用すると実は文月が残したメッセージの真意が簡単に分かる。


 結論的にこのメッセージを解読すると出てくる物は「Crater」という

英単語になる。これの指す意味は恐らく大崩壊地区の中心部にある、

幾数回戦いを繰り広げた大クレーターの事だろう。


...さぁ、答え合わせだ。


 このメッセージの解読の仕方はまず、現れた敵が何式かに目を向ける。

そして現れた敵が壱式だったとしたら残されたメッセージの英文の

1番左のアルファベットから1回目をカウントする。


 弐式が1体だったとしたら同じように左からアルファベットを

2回目をカウント。参式だったら左から3番目というように、

月壊の持つ数字と残されたメッセージの英文をリンクさせるのが重要になる。


 次に弐式が1体、参式が1体などといった場合だ。

この場合も簡単で弐式の2という数字と参式の3という数字を足し、

左からアルファベットを1文字ずつカウントしていく、という訳だ。


...これをメッセージ6回分繰り返すと以下のようになるはずだ。


私は泣く I [C]RY

そして私は心を休ませる and I [R]est a feeling

そして私は行動を起こす and I take [A]ction

お前を試すために In order to [T]ry you

本気で倒すために In order to d[E]feat in earnest

俺に後悔はない I [R]egret I will not


...これで「crater」という単語が浮き出てきたという事だ。


「さてと...来てみたは良いが」

そうこうしているうちに俺はその示された大クレーターに着いていた。

今考えればこの大クレーターはどのように穴が空いたのだろうか。

隕石が落ちてこの穴が出来上がったとしたら東京自体潰れているに違いない。


...これは恐らくこの再開発地区が大崩壊地区となった日に出来た

ものではないだろうか。今では大崩壊地区の象徴だ。


「...ッ!?」

周りを見渡していたはずが俺の視界は一気に暗闇へと移り変わった。


「な...何事だ...!?」

俺は突然の出来事に言葉が出ない。

その暗闇は俺の胴体をキツく縛り上げていく...。


「グ...ッァ...」

こ、これは暗闇なんかではない...ッ!

月の石が俺を包み込み、締め上げている様だ。

だが腕ごと拘束され締め上げられているため破ることができない。


だがなんでいきなりこの様な事が起きたのだろうか...ッ。


 腕も足も動かす事の出来ない俺は無理やり歯で食い破る。

すると俺の目の前に現れたものは見覚えのある人物...。


「よぉ...、もう1人のオレ。

お前を殺しちまえばオレはオレになれるんだよなァ...?」

いきなり現れた謎の人物は俺に向かってそう言い放った。


コイツは何かがおかしいが見た目は完全に...自分自身だった。


だがこれを自分自身というには語弊がある。

コイツは俺でありながら俺ではない...。


「さァ...早く殺シ合オウ...ゼェ...?」


 俺の形をした殺意を丸出しのその人物は月の石を鋭利な形をした

触手状に変形させて、自分の腕のごとく次々と攻撃を繰り出してきた。


「コイツを倒さなければ先には進めない訳か...」

俺は覚悟を決め、相手と同じく月の石を変形。


...だがその変形させた形は相手の物とは違い、いつもの刀だった。

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