表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
190/250

月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part8 “奇襲 The Raid„

しばらくすると奴らは予測通りこの交差点に現れた。

戦車も大量に運用されていて、その戦車を1つ1つ取り囲むように

人造能力者だろうか、人が警戒している。


が、これを一気に無力化する。

俺は手に持ったスイッチを迷わず押した。


押した数秒後、それは起こる。


「な、何なんだこれは...ッ!」

人造能力者達の悲鳴が聞こえる。

今起きたのは交差点に幾つも存在するマンホールの蓋が弾け飛び、

水が勢いよく吹き出して、水の柱が出来ている。


だがこれだけでは終わらない。


俺は再び、スイッチを押した。


すると時間差で地面から破裂音が聞こえたかと思うと、

そこから水がじわじわと速いスピードで噴出している。


そう、ここは土壌が緩いのだ。そこに水を足すとどうなる?

答えは簡単だ。沼地のように足を取られやすくなり、立ち止まると沈んでゆく。

そして重ければ重いもの程沈むのも早いわけだ。


俺が仕込んでいたのは水道管、下水道に仕掛けた炸裂薬。

この大崩壊地区とはいえ造られたもの、いや遺されたものは

まだ生きているのだ。


大量の戦車たちが一気に泥に巻き込まれて、みるみると沈んでいくのが

黙認できた。俺は作戦を次に移す。


「能登さん、望月、頼むぜ」


無線機にそう言うと交差点を覆うビル群からある物体が投擲される。

そして投擲されたものから白い煙たちが上がっていく。

その煙の中でうごめく黒い影も黙認できた。


これらはスモークグレネードというものだ。

PMCの奴らが装備してきたものを応用した。奇襲にはもってこいの代物だ。


「さて、と。そこに居るんだろ?インファストラス...」


俺が居るのは壊れかけたビルの屋上のど真ん中。

そしてそう話しかけたのは屋上の入口。


すると返事はすぐに返ってくる。


「あぁ、もう気づいていたか。ターゲット」

そう聞こえたかと思うとインファストラスはドアを開けてきて、姿を現す。


「だいぶ前からそこに居たようだが、何で襲って来なかった?」

そう、だいぶ前。俺がここに来て指示を出していた頃くらいだろうか。

ドアのあたりに人気を感じていたのだ。


「では、なんで気づいていたのに攻撃して来なかった?と質問を返します」


「それは困ったな...。

そうだな、俺はお前らと正面から戦いたいから、でどうだ?」


「フフッ、馬鹿ですね貴方は?これだから死ぬのですよ?」

インファストラスが見たことのない冷たげな表情でそう言ったかと思うと、

俺は地面に突っ伏していた。その俺の頬には血が流れていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ