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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part6 “ビルの残骸からの脱出ⅢEscape From building „

貯水タンクの水が全て沸騰しきるまで数分を要したが

側面部分の鉄板がベコベコと音を鳴らし始めたのを見ると

どうやら思惑通りに事が進んだのだなと実感する。


「...っと」


俺はあらかじめバケツを使って汲んでおいた水を

貯水タンクに掛けるため両手で持ち上げる。


そして勢いに任せてバケツを振るった。


バケツの中に入っていた水は綺麗に空中を舞う。

水が太陽の光に反射して輝いたかと思うと目標である貯水タンクに着地。


その貯水タンクは大量の蒸気に包まれ、

ベキッ...ベキッと鉄板がへし折れる時の独特の音を大きく響かせる。

そして音が鳴り止んだかと思うと、更に大きな音が伝わってくる。


「......ッ!!」


俺は思わず目の所まで腕を持ってきて目を隠してしまった。

そう、中に入っていた水がいや熱湯が、一瞬のうちに噴き出してきたのだ。

だがそれもやはり一瞬のうちで俺は腕を下ろし、貯水タンクに目を向け直した。


貯水タンクは元々の姿とは異なっていた。

元々の鉄の塊のようにも見えたフォルムではなく、側面が大きく凹み、

鉄の部分が収縮した様にしわしわになっている。そう、鉄がだ。


俺の狙いはこれだった。

この現象は海外の実験番組とかでよく見かける。

蒸気の圧力?だかなんだかの実験だっただろうか。

だがわざわざ鉄製の貯水タンクでそんなことはしていない。

よく使われているのはドラム缶とかだったはずだ。


つまり、それの応用というわけだ。


そして側面の凹み具合も思い通りで人1人が楽に通れる様になっていて

鉄片が飛び出ることも無かったため一安心だ。


斬月はどうなっただろうか。それが俺の頭のなかをよぎった時、

無線から緊急の通知がやって来る。


「「第2波来ます...ッッッ!!何なんだあれはッ!大量の戦車と

人間には思えない異常な力を持った奴らは...!?」」


これを聞いて俺は迷わずこの場を去った。

人間には思えない異常な力を持った奴ら...か。

とうとうお出ましか?人造能力者研究開発局の研究成果の人造能力者達が。


出来れば殺さずに無力化...いや救いたい。

俺は人造能力者研究開発局が許せない。政府直属だかなんだか知らないが

完全に裏の権力を全て牛耳っている。


あんなところに権力が集中しているなんて知っている奴は限られるだろうが、

俺は月の名の持ち主として阻止せねばいけない。


俺は走った。次に奴ら来ると思われるルートに向かって。

斬月、悪い。まだお前の所には行くことは出来ない。許してくれ。


だがその分、俺はやる事を成すだけだ。

脱出完了...。

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