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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part5 “ビルの残骸からの脱出ⅡEscape From building „

仕事机が残骸とともに重なり合っている付近まで戻ってきた。

俺はこの付近にあると踏んだものがある。それは錆取り剤に使えると思われる

強力な机を洗浄するためのクリーナーだ。俺はビルの残骸を避けつつ

仕事机の引き出しを1つずつ丁寧に探した。


暫く探したところ、予想通りに求めていた物の1つ目を手に入れた。

このクリーナーを使い、まずは貯水タンクの錆を落として下準備をするのだ。


そう、これからあの貯水タンクに細工をして人が安全に通れる隙間を作成し

脱出するのが俺の目的であり作戦だ。


ついでにこの仕事机のところでビニールの封が開いていないバッテリータイプの乾電池とまだ綺麗なスチールたわしを見つけた。これは非常に便利だ。

俺の考えていた予定からは変更されるがこれでスムーズに進行できる。


この後残骸の下で風に揺れる草花のあるところから枯れ草と木材の破片を

拾い集め、その辺に落ちていた穴の開いていない錆び付いたバケツを拾って

脱出に必要になるアイテムは全て収集することが出来た。


ビルの残骸だけだからといって何も無い訳では無い、という事を心から

分かった気がする。そして俺はふと空を見上げた。


「今日は...一段と青いな...」


今日の空は雲1つ無く、晴天だった。

人造能力者研究開発局の作戦がこうして今も行われているというのに。

そういえば、斬月はどうなっただろうか。

俺は無線機を耳元に近づけるが何も聞こえることはない。


次の援軍が来るかもしれない。その前に早くこの場を脱出しなければと改めて

思い、俺は手を動かし始める。


まずは貯水タンクの蓋を開けるべく蓋の部分にクリーナーをかける。

暫くした後、バケツにセットで入っていた薄汚れたタオルでそれを拭き、

力任せに蓋を回し、こじ開ける。


「...ッ!」


勢いよく蓋は取れ、俺は横に倒れた。

痛たたた...と体勢を直して貯水タンクの中を覗く。


「うわ...」


中はコケが生えていたりして綺麗とはとても言い難いが水は半分以上

残っており使うことが出来そうだ。俺は水をバケツ満杯に入れすくい上げた。


その後これでもかという程蓋をキツく閉めた。

これで1つ目の準備は出来た。


次に俺は木材の破片を貯水タンクと地面の隙間に並べる。

そして仕事机のところで拾った乾電池とスチールたわしを取り出した。

これで何をしようと言うのか。それは簡単だ。


単純にお湯を沸かすのだ。

この脱出に重要なことは密閉された空間に熱湯があるということ。

貯水タンクは有難い事に鉄製なため直に火を当てても問題がない。


俺はスチールたわしを伸ばした後、細長く棒状に形を変形させる。

そして枯れ草を着火する木材の破片の近くに持っていき、

その枯れ草のところでスチールたわしにバッテリータイプの乾電池を

擦りつける。するとスチールたわしは赤く発色し、更に擦っていくと

小さい火花が散り始めた。


そう、この2つを運良く見つけることが出来たため火を付けるのに

手間取る心配が無くなったわけだ。


予定ではサバイバル番組などでお馴染みの木の棒と木の板を摩擦させて

着火する方法をやる筈だった。


火花は上手く枯れ草に移り、火種が完成した。

俺はそれに軽く息を吹きかけ木材の破片に火をつける事が成功し、

貯水タンクと地面の隙間で火を付ける事が成功した。


後はとりあえず沸騰するのを待つだけだ。

さて、これでどうするか分かったでしょうか。

脱出完了は次になりそうです。

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