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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part2 “準備したもの Which was prepared„

ムーン=スノー姉妹と思われる声が無線機から聞こえてから

俺は前線になると思われる場所に身を移し、タイミングを計っていた。


暫くすると先程の偵察班の言っていた通り、履帯機動の小さいロボット

「月壊零式」と人型のロボット、「月壊壱式」の長い隊列が見え始めた。

月壊零式が周辺を偵察しながら進行しておりその後ろを月壊壱式が索敵しながら

進んでいるのが伺える。とてもこれを相手にしたら敵いそうではない。


特に月壊壱式は厄介というのは身を持って嫌というほど分かっている。


だから俺は“奴らとは戦わない„方針を固めていた。

戦わずして勝つ。それが俺達、月の名の持ち主の先手だ。


俺は準備したものを使うべく無線機で連絡を入れる。


「斬月、用意は良いな......?」


暫くの静寂。そして遅れて斬月が答える。


「はい、こっちは問題無いです。いつでもどうぞ」

声音からしてとうやらやる気はある様に思える返答だった。

そのやる気に応えるべく俺は目先にある地面に設置されたスイッチを見つめる。


「よし...。今か」

俺は意を決してスイッチを押し込んだ。

そしてしばしの間が空いたかと思うと、それは訪れる。


訪れたもの、それは大通りに面した未だに全壊はしていなかったビルという

ビルがドミノの様に崩れ始めたのだ。


ビルは轟ッ......!!と音を立てたかと思うと隣のビルへと連鎖的に

轟ッ...轟ッッッ...!!と爆発音が鳴り響く。


そう、あらかじめ準備していたものとは島鮮科せんせーが用意した

接着型プラスチック爆弾をビルそれぞれに仕掛けていた事だ。


ただただ手当たり次第準備していた訳ではない。

奴らが来る想定ルートを俺が1つずつ見て回り、1番来ると思われたこの

大通りに絞り、そしてビルの中心となっている鉄骨たちに仕掛けたのだ。

それも道に沿って倒れるように。


そうすることで月壊零式、月壊壱式はビルに阻まれ再起不能になる訳だ。

そして残った残党を斬月に任せ、これを乗り切る。


そしてビルが倒れた衝撃で出来た煙も晴れる。


「斬月、様子はどうだ?」

俺はインカムを通じて斬月に現状の報告を指示する。


「はい、神代先輩の作戦通り月壊零式、壱式ともに姿はもう見えないです...」


「そうか...良かった。じゃあ...」

じゃあ1回陣取った所に戻ろうか、そう言おうとした時。


「先輩。...だけど誤算があるみたいです。それも大きな誤算が」

斬月は俺の聞いたことのない声でそう言った。

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