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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第14章月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇
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月の名の持ち主と人造能力者達の衝突篇part1 “食い違い Discrepancy„

作戦が行われる当日、俺達は大崩壊地区の中心から少しそれた西部にある

電波塔に陣取っていた。この電波塔、今ではへし折れていて白く綻びているが

かつては東京で、世界で2番目の高さを誇っていてこの再開発地区と言われていて地区のシンボル的存在だったものだ。


それが今ではへし折れ、この地区は大崩壊地区と言われている。


「さて皆、覚悟は出来てるよな?」

俺は集まったメンバー全員にそう話しかけた。


集まったメンバーは斬月、山吹さん、皐月、名前に月が付くであろう人々の

有志連合、そして島鮮科せんせーが連れてきた傭兵?だろうか...。

最後の事が気に掛かった俺は島鮮科せんせーに問いかける。


「島鮮科せんせー、彼らはどういった人達なんだ?

如何にもプロの気配がするんだが、これは気のせいか?」


その問いに島鮮科せんせーはフッフッフ...と笑みを浮かべながら口を開いた。


「いやぁ、睦月君は相変わらず勘が鋭いね...。

そうだ、私が用意したのは民間軍事会社、もといPMCの皆様だ。

私独自のルートを使って呼び寄せたのであ~るっ!!」


言われてみれば顔を隠していて見えにくいが外国人ばかりの様にも思える。


「でも肝心な武器が無いのだよなぁ。

そこで私が用意したのはレールガン装備だ。様々な種類があるぞよ!!」

島鮮科せんせーの後ろにあるテントにはハンドガンの様なフォルムをしたものや

スナイパーライフルの様な大型な物まで揃えられていた。


なんだか島鮮科せんせーはノリノリの様だ。


「そして睦月君の為に月の石でまた作り上げたいつものやつだ、受け取れっ!」

そう言うと島鮮科せんせーが剣状のものを放り投げてきた。


「これは...」

刃こぼれしてなまくらになっていた月の石の刀だ。

だが刃こぼれは綺麗に無くなっていて、日に当たり白く輝いている。

だが俺にはもう斬撃の力は、無い。


俺は島鮮科せんせーを見やる。

すると島鮮科せんせーの顔が真面目な表情になる。


「一応直してはみたがその刀をあまり過信して戦うんじゃないぞ?

だから一応君の好きな装備も持って行け。あとPMCの主戦力はまだ到着

していない。そしてまだ来ていない奴も居る。だからあまり無理をするな。

昨日君は色々準備していた様だが無理ならば逃げろ、良いな?」


「あぁ、分かった」

そう、俺は昨日この大崩壊地区を歩き回り、そして調べ尽くして戦略を

練っていた。この大崩壊地区にある大通りや小道、地下通路など

今からやって来る奴らにいつでも臨機応変に対応できる様に罠も仕掛けた。


準備は万端な筈だ。例え人数や戦力で劣っていても対応は出来るはず。


そう思ったその時、腰に身につけていた無線機のコールが響く。

俺はインカムを口元に近づけ返答する。


「はい、こちら神代」

「「こちら偵察班、ヤバイ!もう奴らはすぐそこまで来てる!」」


俺はあらかじめ島鮮科せんせーに偵察班を組織する様に指示を出していたのだ。

だが来る筈の時刻より相当早い。


「場所は?」


「「もう、大崩壊地区の検問を通り過ぎてる!なんだよこれ、

俺達こんなの相手にするのかよ...!?」」


まずい。こちらの予想を裏切られた様だ。


「「おい、どうするんだこれ!」」


「奴らのルートは?」


「「普通に大通りを進行中!おい、奴ら何も言わずに攻撃して来てやがる!

なんだあれは...っ!履帯機動の小さいロボットと人型のロボット!?」」


んな馬鹿な。奴らの作戦概要には是非を問うとあった筈だ。

まさか、奴らの言う是非とは何なんだ!?


すると無線から大きな銃声が聞こえたと思うと

「「...............ガッハッァ......」」と撃たれた様な声が聞こえる。


「おい、どうした!?」

応答は無い。なるほど、奴らは強者、これに生き残った強者にしか

是非を問う気が無いらしい。


その予測は的中した様だ。


「「ぁあー、あー、これが聞こえているかターゲット」」

この声と言いようには聞き覚えがある。


「「聞こえていまいが関係ないが、我々人造能力者研究開発局は強者しか

興味が無い。だからターゲット、早く決着を着けよう...」」


その無線から聞こえる声は俺にとって因縁の相手である事には変わりないが

俺には悪魔の囁きに聞こえた。

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