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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part12 “知らなくてはいけないモノ„

あの双子が言っていた通り警備は俺が起こした騒動により

混乱状態、手薄で俺は残っていた少数の警備員の目を掻い潜り

このダムを利用した人造能力者研究開発局を後にする事ができた。


俺は手にした情報を、データを失うわけにはいかないと考え

島鮮科せんせーの所に向かうこととして大崩壊地区をただ歩いていた。


俺の住んでいる所では都市化によりもう殆ど夜空に輝く星たちを

拝めることはできない。いや、もうこの東京自体ではこんなに綺麗な

星を見ることは出来なくなっており、都心部の人々は過去に作られた

各所にあるプラネタリウムで満足してしまっているのかもしれない。


だが東京の廃れた場所であるこの場所、大崩壊地区は別だ。

満天の星空を拝めることができる。それも鮮明に。

俺が歩くこの道にちらほらと姿を晒している貧相な人々も星たちを見て

にこやかに、笑みを浮かべている。


こんな景色を身近に見られない、知らない都心部の人々より

この美しい景色を知っていて、笑って見れるここの人々は生活的には

厳しいだろうがとても有意義で幸せにも思えた。


しばらく歩いていると双子に牢屋から出してもらった時に

一緒に返してもらった俺の携帯の着信音が鳴り響いた。


「...............」


俺は何も思うことなく、携帯を開いた。


どうやらメールが来ていたようで受信箱を見るとメールが全部で3件。

うち2つはだいぶ前に送られてきた、水篶達の心配の様子を浮かべるメール。

そして今受信したのは向かっている場所である所に居る、島鮮科せんせーからで

内容は「ラボで待っているぞ」とのことだ。


どうやらお見通しらしいな。そしてまた同じように着信が。


今度は斬月だ。


「無事なら返信してください」の一言だけのメールで

俺はそれに「心配かけた。俺は無事だ」と返信した。

そしてしばらく歩きながら携帯をいじっていた。


メールのやりとりをしているともう、大崩壊地区の出口まで来ていた。

俺は大崩壊地区を後にして島鮮科せんせーのラボまで

電車はもう止まっている時間だった為、徒歩で向かった。


朝日が昇り始めた頃、俺はラボに到着。

毎度お馴染みのラボに入るためのトリックを探していると

鍵が掛かっているはずのドアから普通に島鮮科せんせーが出てきた。


その光景に俺は

「今日は入るためのギミックは無いんだな」と問いかける。


それに対し島鮮科せんせーは

「ただ内側から鍵を掛けていただけだ。

君が今持っているものが答えなのだろう.........?」


俺が今右手に握り締めているもの、USBメモリの存在までお見通しのようだ。


「大事な話だ。私も今回は真面目だぞ?」

と島鮮科せんせーが苦笑交じりに言って来た。


「あぁ、この情報について俺は知らなきゃいけないんだ」

俺のその言葉に島鮮科せんせーは黙って頷き、俺を中へと案内した。

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