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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part9 “五十嵐喰月の絶対的な力„

連射された銃弾は俺の体を貫く筈だったが、俺は天井に衝突し

ある光景を目の当たりにしていた。


その光景とは大きな1枚の瓦礫が俺の前に何処からか飛翔してきて

連射された銃弾を全て受け止め、瓦礫が落下していく光景だ。


俺はその瓦礫が床に激突した後、その瓦礫の上に打ち付けられた。


「...ッ!」


全身に衝撃が走り、骨から激しい痛みが伝わってくる。


そして俺は伏せたまま周りの様子を、いや瓦礫の飛んできた方向を見やる。


「お前...はッ...!」


そこに立っていた人物は、この状況を楽しんでいるかのようにしている様子の

五十嵐喰月だった。


「やぁ睦月君、久しぶりだね。全く単身で乗り込み派手に暴れた様子を

見ると元気な様で何よりだよ」と五十嵐はにこやかに言った。


「お、前。なんで今助けた...?」

そう、多くの月壊壱式から連射された銃弾を全てカバーできるほどの

瓦礫をどうやって飛ばしたのかは分からないが飛ばしてきた奴は

コイツしかいない。


「いや?私は助けた訳ではないよ?こんな場所に入り込めたネズミを

逃す訳にもいかないじゃないか。まぁ、何より私としては君はここで

終わる様な玉ではないと思うし、見なかった事にするのも良いと思うが

上がそれを許さないんだよ。現にこんな機関辞めたはずなのに雇われてるしね」


「ネズミ...か。ハハハッ、それは俺の事だろ?

それで、俺をどうしたい訳だ...?」俺は奴の思惑に探りを入れる。


「何を当たり前なことを言ってるんだい?君はその辺にいるネズミとは

訳が違うよ。綺麗なハムスターの様なネズミさ。君はそれほど上が

欲しがっているのさ。研究材料としてね」


研究材料...。つまり俺の力を研究することにより機関自体の実力を

底上げしたいといった感じかな。


「ほら出た、それ。君はそうやってこういう絶望的な状態でも黙り込む。

相変わらず冷静に次の手段を模索している様だけどさ、残念なお知らせと

良いお知らせがある」そういう五十嵐は相変わらずどこか楽しそうだ。


「どういう事だ?」


「じゃあ、まずは良いお知らせからいこうか。君は上には渡さない。

だから君が思い描いている様な研究は受けない事になる。

次に残念なお知らせ。君は今、力を失う」


五十嵐はそう言うと激痛で立つことも出来ない俺のところへと一歩、

また一歩と歩んでくる。


「...ッッッ!」


俺は足に力を入れるがやはり先ほどの衝撃で立つことも

逃げる事も出来ない。


やがて五十嵐は俺の前に立ち尽くした。


「さぁ...て、と」

五十嵐はしゃがむと俺の頭を片手で鷲掴み、持ち上げた。


「ガァァァ...ッッッ!!」

掴まれた頭にとてつもない痛みがやってくる。

離させようにも体を持ち上げられていて力が入らない。


「じゃ、君の力を喰わせてもらうよ」

五十嵐はそう言うと持ち上げたその右手に更に力を込めた。

その力は俺の頭にめり込むような力で、俺は気を失った。

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