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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part7 “苦しい現実„

白いフォルムで人型の月壊壱式はいまだに動かない為、

俺は月壊壱式の前まで駆け寄り月の石の刀を振りかざした。


だがその攻撃も無惨にかわされた。


月壊壱式がかわしたかと思うと手首の部分が曲がり、

その手首を初めとした腕の内部が露になった。


「............ッ!?」


中には機関銃が内臓されており月壊壱式は躊躇う事もなく

俺に向けて乱射した。


とてつもない速さで弾丸が発射されていく。

だが俺は銃口に月の石の刀を押し付け、射線をそらしなんとかかわす事が

出来ていた為銃弾を受ける事は無かった。


だがその反動で月の石の刀は歯こぼれしていてただのなまくら刀に

なってしまっていて使い直すことは出来なさそうだ。

また思い通りの形に作り直す時間もない。


「..............ッ!?」


俺の視線は今、月の石の刀に向けられていた為気づかなかった。

月壊壱式の姿がこの薄暗い空間に消えている事を。

いくらフォルムが白いからといってこの暗さでは見つける事は不可能だ。

そして月壊壱式はロボット。俺の姿が見えている筈だ。


「チッ...」


思わず舌打ちをしてしまった。

この状況、視野が暗さで狭まれていて武器も無いという状況を

どうすれば打破出来るのだろうか。


そんなもの決まっている、逃げるしかない。脱出するしかないのだ。

俺は月壊壱式の事など気にせずに俺は入ってきた出口へと駆ける。

入ってきたその場所はシャッターで閉じられていたが鍵は掛かって

いなかった筈だ。簡単に開けられる筈だ。


その時、月壊壱式だろうか。大きな銃声が鳴り響く。

俺は咄嗟に身を低くした。


その打ち出された弾丸は同じ様に俺に当たる事は無かった。

そしてその弾丸は運が良い事にシャッターに当たった様で

シャッターは穴だらけになったのが見えた。


俺は急いでそこに飛び込む。


シャッターは無惨にも破壊されたが強硬突破をする事が出来た俺は

ここを死ぬもの狂いで去ろうとしたが、そうはいかない。


「グウォォォ........ッッッ!!」


俺の居た薄暗く広い空間から月壊壱式だろうか、雄叫びの様な音がする。

気づけばもう遅く銃弾は正確に俺の両腕を貫いていた。


「徹甲弾か...ッ!」


俺の腕から血が噴き出す。そしてその後に痛みが走る。

月壊壱式が機関銃で連射をしていた弾丸、それは徹甲弾の様だ。

徹甲弾とは普通ならばライフルなどに使われる弾丸で連射しづらい筈だ。

それを可能にしている...!?


「ウグッッッ......ッ!!」


痛む腕を抱えながらも、俺は逃げる事しか出来なかった。

そして俺は月壊壱式から逃げる事が出来た。

今の俺では太刀打ち出来ない、これが現実だ。

苦しい現実だが受け止めるしかないのだろう。


エレベーターの付近まで戻って来るとそこはもう絶望的な光景が広がっていた。

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