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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part6 “月壊零式に次ぐもの„

俺はとにかく走った。警備員が見えなくなるまで。

そして走ったからこそ分かった事がある。

それはこの施設のとてつもない大きさだ。そして何故知られていないのか。

その理由はこの施設の1番上に当たる部分が水でカバーされている為、

あたかもダムがまだ働いている様に見せかけ隠蔽しているのだ。


走っている最中、エレベーターも見つけた。使えそうには無かったが

各階、4階建ての施設で5階部分から水がある非常に強固な建物の様だ。

エレベーターの所にはご丁寧に各階の施設の名前が載っていた。


俺の今居るこの階は1階。研究している内容は能力者の発生研究、

及び戦略的兵器開発フロアだそうだ。さっきまでは聞こえていた呻き声は

今は気味が悪いほどの静寂となっている。つまりさっき居た場所が

能力者を生み出す研究をしている所だったのだろう。


じゃあ俺が居るのはどういった場所か。それは言わなくても分かるだろう。


俺は静かな廊下を駆け抜け、突き当たったドアを開けて

中へと侵入した。そこは妙に広い空間が広がっていた。

俺は歩みを進めた。


「なんだ...これは...ッ」


俺が真ん中の辺りにまで歩き、見たものは人間と同じ位のサイズの

人間と同じような形をしたロボットが上からチェーンで吊るされている

姿だった。だがこの白っぽい塗装のようなフォルムで似た様なものを

どこかで見た覚えがある。


その時、それは起動した。


チェーンで吊るされていたそれは

チェーンをまるで粘土の様に軽々と引きちぎり、地面に着地した。

動きが気持ち悪いほどスムーズだ。だが関心している場合ではなかった。

そのロボットはこちらをそのスムーズすぎる首の駆動で

顔をこちらに向けたのだ。


「標的を確認しました。自動運転モードで標的を排除、駆除します」


そのロボットの目が真紅に輝き始めた。

標的は......俺らしい。俺はそれを理解した瞬間に身を引いた。

それをこのロボットは見逃さず、その場で監視していた。


俺はこの隙にチェーンで吊るされていた場所、このロボットがあった場所の

足元を見た。その足元にはプレートがあり、こう書かれていた。

「月壊壱式」と。これを見た瞬間俺に虫唾が走った。


この月壊壱式は合宿の時に現れた月壊零式の改良型なのだろうか。

確かにこの白いフォルムにこの進化を見るとそうとしか言えない。

そして何より恐ろしく感じるのがスムーズすぎるロボットとは思えない

異常な動きに加え、まだ武装が見えないというところだ。


零式の時はあらかじめ装備されている武装が見えた。

だがこの壱式は人型の形でメタリックなだけで武装が見えないのだ。


俺は月の石の刀を構えた。


出口を確認したが何故かシャッターが下りていた。

嵌められたのか。もしくは誰かが俺を試しているのか。


ともかくこの場を潜り抜けるしかない。

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