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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part2 “人造能力者研究開発局の真実„

「私が居た時やっていたのは今までは空想上のものとされていた

超能力者を生み出すための研究だ。その研究の成果が君の父親の居る

旧世代と呼ばれている面々だ。彼らは人造能力者研究開発局に属する

被検体として提供された人間だ。だがその被検体になる条件として

才能が必要だった。そう、今の科学では何もないところから

超能力を生み出すのは不可能だったのだ。


ベースとなる強い才能を持つ者を全国各地から秘密裏に集めては

実験。集めては実験の日々だった。正直あの時から私は異変を感じていた。

なぜこんなに死体を見なくてはいけないのか。


初期の段階では中々成功することがなく、だがやるに連れて

成功に近づいていった。そして君の父親の旧世代と今は呼ばれている

人間達の脳を弄り、彼らで完全に成功を収めることが出来た。

だが私はこれを機に人造能力者研究開発局を脱した。


何故か。それは実験が成功した者達が反乱を起こしたからだ。

こういうことが起こることを分かっていた人造能力者研究開発局は

彼らを1人の人物で沈める事に成功した。彼らは抗ったが

生み出された力だけを盗られ、吸われ、記憶だけなくなり今も

生きている。こんな事が普通であるこの人造能力者研究開発局は

更に力を強めていった。


私は人造能力者研究開発局から狙われるようになり、捕まった。

そしてあの無人島に隔離されていたわけだ」


「島鮮科せんせーの話は分かった。だが人造能力者研究開発局のせいで

犠牲になった人々が腐るほど居る、ということだよな」


「そうなるね」


「じゃあなんで島鮮科せんせー、お前は止めるどころか実験を

続けたんだ?止めようとしなかった?」


「後戻りなんて出来なかった」


「じゃあもう1つ聞くが何故俺の父親はその時の記憶がある?

そして俺の父親達を1人で沈めたのは誰なんだ?」


「1人で君の父親達を沈めたのは実験する側だった五十嵐だよ。

彼は実験の成功を知ると自ら進んで実験を受けた異常者だよ。

そして彼が手に入れたのは相手の超能力を喰う力だ」


「力を...喰う?」


「そのままの意味だ。相手の力を喰らい、そのまま自分のものにして

その相手のものは無くす」


「そんな力が...あっても良いのか...ッ」


「確かに超能力者を無効化するのには有効な力だが喰らった能力は

上書きされていくからそこまで驚異では無かったはずだが...な」


「そうなの、か」


「そして君の父親にあの時の記憶があるのは彼の力のせいだろう。

彼は見事に実験された側を率いて戦った。でも勝てなかったのだ」


そういえば父さんは言っていたな...自分のあの時の力は自己強化だと。


「なぁ、島鮮科せんせー」

「なんだ?改まって」


「その非道な実験はまだされているのか....?」


「されているだろうな。現に名前に月の付く人物たちが今も姿を消している」


「なぁ、島鮮科せんせー。

何故俺達なんだ?何故月の名前が付く者だけなんだ?」


「それは実験で生き残り成功した者が月の名の持ち主だったからだ。

生まれた時から何かを持っていた、特性を持っていたのだろうな」


「じゃあなんで...ッ!」

俺は島鮮科せんせーの肩を掴む。


「じゃあなんで今も実験が進んでいるんだよッ!」


「それは私の力不足でもあるし、君の父親が負けたのも大きいな」


「ク......ソッ。こんなのは狂ってる...」

俺がそう言うと島鮮科せんせーが紙を渡してきた。


「これが私の知る全てだ。持っていくがいいさ」


渡された紙を開くとそこには人造能力者研究開発局の場所や

過去に行われた実験、それに関わる資料などがぎっしりと書かれていた。


「なぁ、神代君」


「......なんだ?」


「1人で行くのか......?」


「あぁ。こんな事を許しているのが、隠していることが許せない」


「そうか、君は父親似だな。君の父親もあの時同じようなことを

言っていたよ......。......死ぬなよ?」


「あぁ」


俺は島鮮科せんせーから受け取った紙をポケットにしまい、

1度家に帰って準備してから向かうことにした。

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