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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第13章人造能力者研究開発局篇
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人造能力者研究開発局篇part1 “本人の元へ„

週末の土曜日。特にやることも無かった俺は父さんから聞いた話を

ある人物に問い詰める為に太刀川市に居た。

そして前に来たように太刀川駅から少し歩き、電車下を通る地下道を進む。

その後そこから見えてくる大きなビルの屋上へとたどり着いた。


今日は酷く風が冷たい。空は鉛色でずっと外に居たら凍えて死にそうだ。

もう秋の終わりだけあるんだなと実感する。


まぁ、この屋上に居るというのもあると思うが。

さて久しぶりに来たが今日の入口はどこなんだろうか。

島鮮科せんせーのラボは防犯対策やらなんやらで入口が毎回違う。

前は確か花瓶の中だったかな...。


周りを見渡すと前々は見かけなかった物が。

「なんだよ、これ」思わず口に出てしまった。


その見かけないものとは「今日の入口は屋上から行けません」と

書かれた看板だ。そんなのありかよ...と思ったが...。


「おうおうっ!そこに居るのは神代君だねっ!?今開けちゃうぞぉ」


インターホンから大音量でそう言うのが聞こえた。

しばらく待っているとドア、見せかけのドアの下の床が抜け落ち

入口になった。全くどんな仕組みなんだか。


「さて、わざわざアポなしで来たという事は何か訳があるんだよね?

神代君はアポとかしっかり取る真面目さんだと思うしねぇ!!」


「あぁ、ちゃんとした理由があって来たんだが、悪いか?」


「やっぱりやっぱしぃ???」


キチガイの相手は疲れるな、本当に。


「なぁ、訳あって大事な話だから今後に関わる話だから真面目に

やってくれないか?キチガイじゃなくて」


ちょっと頼んでみることにしてみた。すると。


島鮮科せんせーは「お~け~ッ!」と言うと地べたに倒れた。

そして少し経つとヌクっと立ち上がりメガネをかけた。


「やぁ、神代君。私に用かい?」


どうやら本当に真面目な方が来た様だ。


「あぁ、そうだ。島鮮科せんせー本人に人造能力者研究開発局の事、

全部吐き出してもらおうと思ってな」


「...............................」


島鮮科せんせーはしばし口を閉じた。


「................吐き出すのか?」


「冗談はいい。全部知りたいんだ。覚悟は出来てる」


そしてまた島鮮科せんせーは黙ったが。口を開いた。


「そうか。じゃあ私が居たあの時の話をしようか。

それが私が知っている事だ。今何をやっているかは少ししか分からないしな。

それでもいいなら話そうか」


俺はその言葉に頷いた。

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