表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第12章新生脱出不可能の始動篇
163/250

新生脱出不可能の始動篇part6 “力の覚醒„

俺は手が血まみれになるまで塞がれた、閉ざされた入口を

ただひたすらに叩き続けた。何も言わずに叩き続けた。

だがそれだけではこの現状は変わらなかった。


拳が痛い。もう拳の感覚が無い。

皮膚が裂けて骨が出るのではないかという激痛が走る。


「...クソッ」


だが叩くのを止めない。止めるわけにはいかない。

俺を待っている仲間は必ず居るというのは変わらない。

諦めるわけにはいかない。


「開けよ...開けって言ってんだよ........ッ!」


俺は細々とした殺伐な声音で誰かが居る訳でもないのに呟く。


「頼むから開いてくれ......こんなところで朽ちる訳にはいかない」


脳裏には推理小説部の仲間が浮かぶ。

............いやそれだけじゃない。


「開けッ!」


俺は痛みなんてものは無視して更に拳に力を込めた。


「開け...ッッッ!」


脳裏には推理小説部の仲間だけでなく今まで出会ってきた、

長門嘉月を初めとした月の名の持ち主でさえ浮かんできた。


「開いてくれッ.....!!」


俺には力がある。これまで出会ってきた月の名の持ち主を圧倒するほどの。


「開けって言ってんだよ.........ッ!!」


だがその力がどんなものかは分からないのが現状だ。


「そんな現状なんて......ブチ壊れてしまえば良いんだ...ッッッ!」


そうだ。例え自分の力が分からなかろうがこんな現状はブチ壊れれば良い!


「開けェェェェェェェェェッ!!」


俺は最後の力の全てを、持てる力全てを血みどろになった

右の拳に込めて閉ざされた扉に向かって叩きつけた。


だが...その叩きつけた入口には何も変化が見られない。


「ハハ、ハハハハハ.........。やっぱり何も無かったんだ、俺。

力なんて...そんなものさえ。じゃあ今までのは奇跡だったのか...」


......諦めかけたその時だった。


ガチャリ。どこかで鍵の開く音が聞こえた。

だが鍵が開く音は1つだけではなかった。次々と鍵の開錠音が鳴り響く。

ガチャリ、ガチャリ......と連鎖的に。


「これは........?」


そして長い連鎖的な開錠音が止んだと思えば、今度は俺が叩き続けていた

この大きな大きな入口でさえ下から上へと開き始めた。


長門忌月が何かをしたのか...?


その時携帯端末のタブレットが自動起動する。

そして画面に映し出されたのはその長門忌月だった。


「やあ、とうとうやった様だね。1ヶ月と...半分か。まぁ上等だろうな」


俺がこの異常な現象を引き起こしたのか?

鍵を連鎖的に全て開錠したのか...?


「その様子からだと現状を理解していないようだな。単刀直入に言おうか。

今起きた現象、つまり鍵の連鎖的開錠だが私は何も手を加えていない」


「じゃあ......これを...俺が?」


「あぁ、その通りだ。君には鍵を開く力がある」


「鍵を......開く?」


「ああ、そうだ。私の兄は君と正反対の相手の才能を封じる、鍵を閉じる

力があったが君はその鍵でさえ開けてしまう力がある」


「どういうことだ...?」


「要約すると君は才能という引き出しの鍵を開ける力があるという事だ。

つまり君はイレギュラー。月の名が持つ才能という能力とは

才能が完全覚醒して超能力というものに具現化する事を言うのだが

君は違う。君は能力が才能なんだ。意味が分かるな?


私は君の鍵を開けるという力を具現化させただけだ。君を追い詰めてな」


「俺の力は...才能という引き出しの鍵を開ける...?

だから俺はあの時、無人島の時も斬月と共に戦った時も同じように

技が使えたのか......?」


「同じように、ではないと思うが?君の言うあの時とは知る由もないが

おそらく、自分専用の様に力が使えたはずだ」


確かに...長門忌月の言う通りだ。

俺はあの時自分専用のように力を使えていた。


「最後に言っておいておくが、君の力は他を圧倒する。

能力のコピーではないからな。模造品でもない。

初めから備わっているものなのだからな...。...アイツと違って」


長門忌月の言ったアイツが誰なのかは俺には分からないが

ともかく...俺は脱出出来たん...だな。


「...ッ!」


痛みを忘れていた場所に激痛が戻り始めた...。


「君は無事に家に送り届けておこう。学校も根回しをして

出席停止扱いにしておいた。これからの君に期待しているよ。

そして月の名の持ち主としての君もね......」


俺は激痛があちらこちらで発生し、気を失った。

やっと主人公の能力が発現しましたね。

まだ分からないキャラも居ると思いますが。

それはこの先明らかになるのは変わらないですからね。


改めて。主人公の力は「才能の引き出しを開ける力」です。

つまり才能が能力になるのではなくて能力が元々才能なのです。


次回もよろしくお願いしますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ