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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第12章新生脱出不可能の始動篇
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新生脱出不可能の始動篇part1 “脱出不可能の終わりと始まり „

スヴャストラス、インファストラスのムーン=スノー姉妹が

俺たちの前から消え去り、俺と斬月が大崩壊地区を後にしてから

数週間の日々が過ぎた。


最近のテレビなどのメディアが大見出しとして取り上げている話題がある。


それは「リアル型脱出ゲームの代名詞、脱出不可能を生み出した会社が

事実上の買収をされた」というものだ。そしてその会社は「脱出不可能」

という脱出ゲームの名に恥じないゲーム開発をしていたがテスト段階で

「不可能」が「可能」になってしまいゲーム開発が上手くいっていなかった

ということも報じられた。


又、この話題が社長であった長門嘉月と

関連しているのではないかと予想されていたり、テスト段階でクリアを

連発した凄腕のテスターの存在が居ると噂までも浮上していた。


「凄腕のテスターか...相変わらず噂上ではあるが、有名になったもんだな...」


ふと呟いてしまった。


「睦月は良くやったんじゃないか?ほら、その脱出不可能だって

元はといえばクリアできない奴らがウン万人だったわけだろ?

それをあっさりとクリアしたと思えばさ、その脱出不可能生み出した

会社からどんどん脱出ゲームを挑まれ、クリアした。これの何が悪いってんだ」


すかさずフォローを入れてきたのは文月だ。

今日は珍しく文月と下校していた。文月は最近いつも山吹さんに

ひっついていたからな。


「そういえば文月、今日は山吹さんと帰らないのか?」


「おぉ、よくぞ聞いてくれた睦月。いやぁさぁ、令月ちゃんにさ

なんでいつもついてくるの?それ、立派な犯罪行為...とかなんとか

言われちゃって、自重しました、はい」


「そ、そうか。それは災難だったな」


「お気遣いどーも。まぁ、話は戻るが睦月が脱出不可能をあそこまで

追い込んだなんて知ってる奴はいないさ、気にすんな。てか

あの買収した方の会社...睦月的にどうなんだ?」


「名前は確か...アミューズメントデザイン開発・総合技術研究会社β

だったかな。アルファーグループの居なくなった社長、長門嘉月の

弟が仕切っている会社らしくてさその社長の名前は...長門忌月だったはず。

嫌な名前だよな...忌。一周忌とかの忌だし...何か恐怖を感じる」


その俺の返答に文月がすぐに反応する。

「そうかぁ?俺は確かにあんまり良くないとは思うが名前に月が

ついているのが気になるところかな...俺たちと同類なわけだろ?

しかも、長門の弟ときた。何か隠し持ってそうじゃないか?」


「さぁ、それは分からない。それじゃあな、文月。もうお前の家の前だぞ?」

「おっ、本当だ。じゃあまた明日...な睦月ッ!」


そうして文月とは別れた。明日...と言った時の間は何だったんだろうか。


「文月のヤツ...追い込んだなんて知ってる奴はいない、か

そんな訳がないと思うんだけどな...恐らく誰かは居ると思うが」


目撃者はいないとは言えアルファーグループの奴らで知っていたり

しているだろうからな。


そして俺は帰路にある横断歩道で丁度止まった。

後ろから通行人が来て、その人も俺と同じように横断歩道を渡るのか、

俺の横に止まった。


「君が噂の神代睦月君か。詳しいことは兄の残したレポートから

知っているよ。君はまだまだ甘いね。そんなものじゃ新生脱出不可能は

クリアできないね?なにせそんなに頼りないような...

成長しきっていないような...無駄なキャパシティがあるだけじゃあね」


いきなり話しかけられたため言葉が出ない。


「いきなり悪かったね。君が兄の言うような人材か知りたかったんだが

とんだ見込み違いのようだ。だから僕が鍛えてあげるよ...」


謎の男はそれを言い、俺にある封筒を渡して去っていった。

横断歩道を渡って。男が渡りきると丁度信号が赤に。


「これは...」


その封筒の中には2枚の紙が入っていた。

1つは折りたたまれた紙。もう1つは名刺だ。その名刺の名前には

こう書かれていた。


「アミューズメントデザイン開発・総合技術研究会社β

代表取締役兼社長:長門忌月」と。


背丈はさほど高くなかったあの人物が長門嘉月の弟である

長門忌月だったのか。髪の色も嘉月と同じで赤が強かったが

長さは違っていた。そしてあの少年らしさというのだろうか。


長門嘉月のような...いや、それ以上のおぞましさを俺は感じた。


僕が鍛えてあげるよ...それはどういう意味なのか。

その答えは封筒の中にあるもう1つの紙に書いてあった。

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