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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第11章月の名を冠する者篇
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月の名を冠する者篇part9 “姉妹の異変„

スヴャストラス、インファストラスが大きな悲鳴をあげたのだ。


2人の力が暴走している...?


氷の獅子はいつの間に消滅し、それを生み出していたインファストラスは

もがき苦しんでいる。氷の鎧も崩れ落ちていた。


氷に取り込まれ巨大化していたスヴャストラスは元のスヴャストラスに

戻っているがその体からはまるで氷が生えている様に見える。


そして姉妹2人は苦しみ果て地面へと倒れた。

するとクレーターを覆い囲んでいた結界らしきものも消失。


「これは......一体...?」

この隙を突いてまで決着をつけても...いいのか?

俺は斬月の顔を見やる。その本人もこっちを見ていて困惑していた。


俺達はそんな姉妹をあっさり倒すことは出来ない。


「斬月、止めだ。彼女らを助けるが...良いよな?見殺しには出来ない」

「その意見、賛成です。お互いに傷を負っていますし」


そういう斬月は唯一無傷である。


「よし、じゃあ運ぶぞ?とりあえずあそこのまだ綺麗に残ってるビルまで」


そう言い俺は戦っていたスヴャストラスを背中に担いだ。

斬月にはインファストラスを。そしてクレーターをかけ上がり、

姉妹をビルまで運んだ。


たどり着いたビルは他の廃れた建物たちと違いそこそこ綺麗に残っていて

どうやら元々は高級ホテルの建物だったらしい。


だが上に上がる階段やエレベーターは見事にぶっ壊れていたため、

1階の受付の裏にあるスタッフルームに入った。

だがスタッフルームとはいえ壁が壊れていて外から入ったのだが。


中は結構荒れてはいたが使えない事もなさそうで

丁度良いソファーがあったのでそこに姉妹を下ろし、

様子を見る。


「先輩、このあとどうするんですか?」

「原因が分からないからなぁ...」


と言いつつ俺はとりあえず手を姉妹1人1人のおでこに当てる。


「熱いな...」

「病気な訳ないですから何なんでしょうね?」


おそらくこの姉妹2人は...。


「この2人は前に言っていたな、造られた者だと。つまり俺達とは違う。

しませんかせんせーが言ってた、この2人が所属している人造能力者

研究開発局は人体実験でも何でも普通にやるとな」


「もしかして...それは」

斬月が何か分かったかのように言う。


「それは違うぞ斬月。彼女らは人体実験をされた訳ではないと思う。

確かに力を無理矢理植え付けられているが、彼女らは人体実験をして

研究してきた研究開発局の完成形なんだよ。つまり多くの犠牲で生まれたん

じゃないのかな。あくまでも推測だが。だけどこんなことが普通にされている

政府の裏の顔が俺は許せない....ッ」


「そうですね......その通りですッ!」

斬月も納得してくれた。彼女ら姉妹は悪いやつらではない気がするんだ。


「よし、じゃあちょっと寒くなってきたし焚き火でもするか」

日はとっくに落ちていてもう夜中だ。暗がりの中話して居たが

明るく暖かい方が姉妹が目覚めた時、良いと思うしな。


俺は斬月にそう言うとこの建物の裏にある倉庫に向かった。

このホテルのエントランスに薪ストーブがあったから

薪があると踏んだのだ。


姉妹は敵ではあるが今回は状況が状況だ。

とにかく彼女らの早い回復を願った。

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