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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第11章月の名を冠する者篇
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月の名を冠する者篇part5 “ 斬月の力の恐ろしさ„

ムーン=スノー姉妹がこちらに風のように突進してくる。


「先輩ッッッ!!少し離れて下さいッ!」

斬月からの合図で俺はムーン=スノー姉妹と同じく

突進していたところを横にそれる。


「ハァァァァッッ!!」

斬月は竹刀を空に掲げると竹刀の刃の部分が外れ

光り輝く刀があらわになる。こうすることでカモフラージュ

していたのか。しかも普通の刀と違って薄黒く輝いている。


その刀を斬月は適当に振り回した。


少なくとも俺にはそう見えたのだが斬月はなりふり構わず

刀を構え直すと先ほどの振り回した斬撃があとから具現化し

大量にあった月壊零式を嵐のように吹き飛ばし、そして切り刻んだ。


その斬撃はもちろんムーン=スノー姉妹にも直撃した...かのように

見えたがその2人は俺のちょうど上、空中にいた。


おそらく斬月の攻撃は軽く飛ぶことだけで受け流したということか。


「流石というべきか?」

俺はふと呟く。そして距離的にまだ斬月はこちらにこれそうにない。


「隙がありすぎだぞターゲット。よそ見している暇なぞ与えない」

スヴャストラスがかかと落としを繰り出してきたが俺は剣で受け流した。


するとそこに出来た隙をこんどはインファストラスが二丁拳銃で

畳み掛けてくる。俺は剣でまた受け流したいところだったが

腕を振り切っていたために間に合わず、判断が一瞬遅れたところで

体をできる限り後ろへ逸らした。


「ッッッ!」

ほとんどの弾丸を躱すことは出来たが頬に弾丸が擦れた。

血がじわじわと溢れ出てくる。


「ほう、これほどの攻撃を楽々と躱すのか。

これは簡単にはいきそうにないですねお姉さま?」


「その様だな」


すると気づけばインファストラスの後ろに斬月が迫っていた。

斬月はなんの掛け声もなしに斬りっかかった。


こっちからも見て取れたが気配や殺気がなく完璧だった。

だがその攻撃は見事に躱された。


「ほう、あの月壊零式を吹き飛ばした小僧も中々。

だが詰めが甘いようだな。完璧ではあったが私には.....ッッッ!?」


するとインファストラスの左肩から右腰にかけて血が噴き出した。


「なんだと!?完全に私は...躱した、筈なのにッッ!」

インファストラスは右手で左肩を抑えながらそう言った。


「どうやら詰めが甘かったのはあっちの方みたいですよ、先輩?」

斬月が俺の横でそう囁いた。その目は完全に本気で油断も見せない

表情だった。


斬月の本気の恐ろしさをこの時俺は実感した。

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