月の名を冠する者篇part4 “現れた暗殺者 „
「んでその要件とは何なんだ?」
俺は相変わらずの口調で聞く。
「脱出不可能をクリアし続けている君には伝えといたほうが
良いと思ってね。今後の脱出不可能についてだが今まで通りに
何も変わらずに君を招待するよ。だが長門もいなければ、会社も今や
ボロボロだ。
その点を考慮して総合アミューズメント開発会社αは
新たな会社に売却することとした。その会社とは元々はαの傘下に
いた会社ではあったが独立し大成功を収めている。その名は
アミューズメントデザイン開発・総合技術研究会社β。αの技術に
付加価値をつけることを仕事にしていた会社だ。
そしてこの会社を運営している人物は長門忌月、長門嘉月の
実の弟だ。彼は嘉月くん以上のカリスマ性がある。
君もそのうち会う事になるだろううな。
さて要件は話した。これで私は失礼しようか...」
神無月はそう言うと右手を上げた。
すると様々な方向から何かが近づいてくる機械音が。
そしていつの間にか神無月の横に見覚えのある水色の髪の姉妹が。
「お前達はムーン=スノー!?なんでお前たちがッ!?
お前らは五十嵐の奴にくっついてたんじゃないのかッ!?」
そして周りを見渡すとこれもまた見覚えのある白いフォルムをした
機械、武装を施された殺戮機械が大量に俺と斬月を取り囲んでいる。
「月壊零式まで。しかもこんなに大量にッ」
いつの間にか量産できるところまで来ていたのか。
でもこれも五十嵐が持っていたはずだ。そんな関係があったのか?
「あっはっは!先程まで冷静沈着だったようだが今や動揺を隠せない
ようだねぇ。私は失礼するよ。あとは頼みましたよお二人?」
「「任せてください」」
神無月の言葉にムーン=スノーの2人は息を合わせ答えた。
「おいおい、これはどういう風の吹き回しだよ」
俺は聞いたところで意味も無いが聞いた。
「神代睦月、あなたはいつでも私たちの殺す標的。答える必要はない」
スヴャストラスの方がそう言った。
「ですがこの様なことは中々ありませんよ?お姉さま?」
そう言ったのはインファストラスだ。
「そうだな。確かにこの様なこちらが完全に優勢という状況も
中々ないだろうしその質問には応じよう。私たちは五十嵐さんの
命令を受けて神無月とともに行動していただけだ。事実、
あの男、神無月真月という男は様々なパイプを持ち合わせているようだぞ?」
「ご丁寧に応答ありがとう。実はお前たちとは戦いたくないんだが...
そうはいかないよな?」
「何を言い出す神代睦月。失望したぞ、私たちは貴様を殺すために
作られた人造能力者。なれ合いなど...できない」
スヴャストラスはそう言った。
だが俺はその発言に迷いがあるようにも聞こえた。
「そうか。じゃあ仕方ないな。こっちもこっちで絶体絶命だ。
本気でいかせてもらうッッッ!!いくぞ斬月ッ!」
俺は月の石で作った剣を構える。
「はい、本気モードでいきますよッ!」
斬月はしませんかせんせーが作った、竹刀?を構えた。
「それではいざ尋常に、」
「参るぞッッッ!!!」
ムーン=スノー姉妹も各々の武器を持ち声を合わせて突進してきた。
その瞬間、月壊零式も起動した。
長門嘉月の弟は長門忌月です。