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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第11章月の名を冠する者篇
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月の名を冠する者篇part3 “月の名を冠する者、神無月真月 „

下水道を通り抜け、突き当たりのところにある梯子を上がり

地上に出るとそこはもう、大崩壊地区の中心街。


瓦礫が沢山転がっておりホームレスやヤクザ、難民などで

無法地帯と化しているが思ったよりも賑わっていた。


「へぇ、ここが大崩壊地区なんですね。イメージと違います」

斬月が言う。確かに俺が昔来た時と様子が違う。


「さて、早く目的地に行こうか。奴が待っているはずだ」

俺の昔のかすれた記憶を思い出しつつ道なりに進んだ。

そしてクレーターが見えてきた。そのクレーターの中心に

向かうべく斜面を滑り降りた。


「斬月、ここが例の待ち合わせ場所だ。だけどまだ姿は見えないな...

警戒しておけよな、いいな」


「もちろんです。その為に持ってきたんですからね」

斬月はそう言うと背負っていた竹刀を入れる袋を降ろし、

中を開いて見せてくる。


中に入っていたのはただの竹刀だ。


「神代先輩、今ただの竹刀じゃないかと思いましたよね?

実はこれ、ただの竹刀じゃあ無いんです。しませんかせんせーが

作ってくれました。何かあった時に使えるから持っておけと」


「用意周到だな、全く。でもまさかしませんかせんせーが

気をきかせたのか。分からない人だよあの人は。元々は五十嵐達がいる

人造能力者研究開発局の人間だったってのに...」


「「もうお喋りはそこらへんで終わりにしてくれないかね」」


俺と斬月の背後からそう囁かられた。

俺たち2人はそれに気づき囁いた人物、

そこまで背丈はなく白髪で若々しい人物から瞬時に距離をとった。


「ほぅほぅ、流石と言ったところかな?長門を苦しめただけあるな」


長門...だと。そして俺を知っているかのような言いっぷり。


「お前が俺を呼び出した張本人か?グループ会長さんよ。

わざわざ水篶を通してまで。水篶には関係ないことだろう?」


「はっはっは、頭の回転が早いこと早いこと。こりゃあ一本取られたわ。

そうだ、そのとおり。私こそが人気ゲームにして君を苦しめ続けた

脱出不可能を生み出した長門嘉月さえも支配していたαグループの

会長、神無月真月だよ。以後ヨロシクというか?なんといえばいいかねえ?」


「以後ヨロシク?ふざけるな。もう脱出不可能もクリアした。

αグループも終わりだ。違うか?長門ももういない」


「はっはっはっはっは...。今、脱出不可能をクリアしたとか

ほざいたな?まぁ、確かにαグループは廃れてしまった。それは

認めよう。じゃがそれは始まりに過ぎん。脱出不可能はまだまだ続くし

むしろ今の君の状況の方が脱出は不可能なんじゃないか?


今の日常を守りたくても君には解せない事が沢山あるようだし。

そして君の父の話も全く知らないようだし、月の名に生まれたのを

後悔するがいいさ。君が月の名という異常者に生まれた時点で

脱出は不可能なのさ。普通の人間の生活ができると思うな?」


こいつは俺が思っていたことをまるで全部言っている。

俺の知らないことでさえ知っている...。


「簡単に言うとだな、君にまとわりついてるんだよ。脱出不可能はね。

さてお話を長々とするのも飽きてきたわい。しかも神代睦月君、君の

横でずっと竹刀?を構えておる馬鹿者もいるようだしな」


「馬鹿者?それは斬月の事を言っているのか?舐めた口をきくな

神無月ッ!」


「いきなり呼び捨てか。まぁそれもいいわ。さっさと要件を

済ますこととしましょうかねぇ...」


この一言で神無月のオーラが強くなった気がした。

新キャラクター月の名を冠する者「神無月真月」(かんなづきしんげつ)です。


彼の能力はどういうものなのか。乞うご期待!

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