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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第10章脱出不可能の異変篇
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脱出不可能の異変篇part20 “ただいまと言える喜び„

長門が水に飲み込まれ行方不明となったのは次の日の今日の

朝のテレビでどのチャンネルも持ち切りだった。


「えー、昨日未明αグループ社長秘書から社長の長門嘉月が居ませんとの

通報で会社自体を捜査したところ見つからず警察は本格的に探す模様です。

元警部、芳澤さんに来てもらっています...この事件は一体...」


アイツはあのあとどうなったのか。それは俺も分からなければ

誰も知らない。ただ1つ言えるのはここでアイツは死ぬような奴じゃない

っていうことだ。いつか俺の前に姿を現すだろう。


っと、こうしちゃいられない。久しぶりに学校に行かなきゃならない。


俺は家を急いで出る。俺が家に帰ってきたのは皐月がもう家を出ている

時間だったためもう家には誰もいない。戸締りもした。


いつもの通学路が懐かしく思える。

たった3日程だが最近は色んな事がありすぎた。少し落ち着きたい、そう思う。


赤雪高校を目の前にしていつものメンツが話しかけてきた。


「オッス、睦月ィ~。どこ行ってたんだよ皐月ちゃん、斬月が心配してたぞ?」

最初に声を掛けてきたのは文月だった。


「あぁ、すまない。ちょっと決着を着けてきたんだ。長門と」

「長門ってあの社長か!?」


文月はそう言うと顔を少し沈め黙り込んだ。

その隙をついたのか、秋葉と水篶が入ってくる。


「「睦月君ッ!...心配したんだからね!?」」


2人揃って同じことを言った。それに気づいた2人は顔を合わせて

赤くなっている。


「まぁ、相変わらず。神代くんも...元気そうでなにより」

山吹さんがそちらこそ相変わらずというように本を読みながら言う。


「あぁ、相変わらず元気だよ?」


俺がそう言うと皆が何かを待っているようだ。

ああ、そういうことか。


「そうだな...皆、ただいま」


「「おかえり~~~ッ!」」


「はぁ、相変わらず賑やかで。肩がこるな全く」

「あ~照れてる~。やっぱ睦月くんだね?」

「っるせえ。ああ本物だよ」


水篶が俺の一言を聞いて笑った。


もうこれで何もかも終わったらいいのに、そう思ったが

俺には気がかりなことが山ほどある。これが無くならない限り

俺が何かに巻き込まれたりすることは無くならないだろうな。


俺が月の名の持ち主という限り。

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