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脱出不可能  作者: 風雷寺悠真
第10章脱出不可能の異変篇
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脱出不可能の異変篇part17 “長門の言うイレギュラー„

「お前、まるで俺の何かを知っているような口ぶりだな」


俺は最後の機会かも知れないと思ったがために思ったことを口に出してみた。


「あぁ、そうだな君にはまだ言っていないことがあるが

まだその時ではない。いずれ君の父親が教えてくれることだろうな」


と長門は鋭い目つきを変えずに返答した。


そしてまた長門が蹴りを繰り出す。俺は横へ飛び、躱した後床に手をついて

体を強引に反転させ反撃する。が、それも見切られていたようで

カウンターが来る。俺はそれをモロに受けて後ずさる。


「ッツ..........」


俺は長門の凄まじいスピードに着いていこうと地面を蹴り上げ

空中へと飛ぶ。まるで無人島の時みたいな高さまで体は上昇した。


それを見た長門が驚愕の表情を一瞬浮かべた後、再び姿を消すが

どこに現れて攻撃を仕掛けるかは見切っている。俺の後ろだ。

俺は後ろへと空中で体を向けて蹴りを入れると見事に長門に当たった。


「やはり...私では無理だというのか...馬鹿な」


と1人で呟いているがそんなことを気にしていられる余裕は俺にはない。

なぜなら圧倒的に経験、実力差が違うからだ。無人島の時も長門は

余裕そうな身をこなしで敵を圧倒していた。


俺は隙ができた長門を見て攻撃を加える。だが上手くは行かず、

俺の頬から血が垂れてきた。これは切られたのか。長門に。

そう思い、長門の方に目を向けるとその右手には小ぶりなナイフが

あった。俺は「お前ェ」と言いかけるがもうこの長門は違っていた。


「......」


長門は何も言わずにナイフを持ち俺を殺しに来ていた。

俺は長門の攻撃を避け続ける。


「長門嘉月、そんなに俺が憎いのか?いつもなら...」


「いつもなら?か。そんなに私は君に優しくしていたのか。

だがもうそんなものは終わりだ。君は邪魔なんだよ、脱出不可能にね」


「それでもッ、お前はクリア者をこれまで出してこなかった!」


「アァ、これまで、はな。お前は例外だった。毎回毎回脱出を成功させた。

おかげさまで良い迷惑だったさ。そして今も君は例外だ」


「それはどういうことだッッッ?」


「簡単な話しさッッッ!」と言いつつ長門がナイフを大きく振りかぶる。


そして言う。


「君は人間として...いや違うな。君はイレギュラーなんだよッッッ。

目障りだ。消えて欲しいね。君は気づいていないだろう?自分の能力に」


その長門の振りがぶって繰り出した攻撃は俺の脇腹に命中し、

俺は反動で片膝を地面にくっつけ長門を見上げるような姿勢になった。


このままではまずい。

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